フールプルーフとは?

経営に役立つ用語

フールプルーフとは?

フールプルーフとは

人間はわかっていても体が反応できない、などの間違いを起こすものです。

フールプルーフとは「間違いを起こすことは仕方がない」「よくわかっていない人が何かを取り扱うこともある」という前提に立った用語で、誤った使い方などをしても利用者や周囲の人に危険がないように、機器が破損したり、致命的な事態や損害を生じさせない設計にしたり、誤った使い方をできない、あるいは危険な使い方をすると機能が停止するように機構を組み込んでいることを指します。

フールプルーフの例を見てみましょう。

例えば、オートマチック車の場合はブレーキを踏まないとシフトバーをパーキングの位置から動かすことができないようになっていたり、電池ボックスには正しい向きでしか電池が入らないようになっている、ドアが開いた状態では電子レンジが加熱できない、蓋を閉めない限り洗濯機のドラムが回転しない、人が座った状態ではないとウォシュレットが動かないといったことも「フールプルーフ」になります。

フールプルーフの語源は、愚か者(fool)の使用にも耐用(proof)できるという意味です。つまり誰が使っても安全である仕組みのことをいいます。

似たような言葉に「フェールセーフ」という言葉がありますが、これは機械装置やシステムは必ず故障するという前提に立った設計思想です。「フールプルーフ」が人間のミスによる事故を未然に防ぐのに対して、「フェールセーフ」は機械やシステムの不測の事態を想定した安全策になります。

人間はどうしてもミスをしてしまう生き物ですし、機械も必ず故障してしまいます。「フールプルーフ」「フェールセーフ」二つを合わせて行うことによって完全は確保することができるようになると考えられています。

近年では、フールプルーフやフェールセーフのような考え方を追求することで世界に先駆けたシステムの具体化を図っており、メイドインジャパンの製品の品質が良いというのは、技術自体が高いだけではなくこのような安全に対する考え方を具体化しているためだとされています。

ただし、フェールセーフやフールプルーフがあるからといって安全性を確保しない理由にはなりません。安全性を確保するためには、きちんと事故が起きた時の対処法や処置をしっかり考えておく必要があります。

また、それぞれの設計思想をきちんと理解することによって、安全を確保することにもつながっていくため基本的な考え方や基礎を身につけておくことも重要といえるでしょう。