爆買い終了でラオックス営業利益98%減に

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爆買い終了でラオックス営業利益98%減に

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「今後は東京オリンピックに向けて訪日観光客は増え、インバウンドマーケットは拡大する」という話をよく聞きますが、イベントごとのビジネスチャンスは一過性で限定的です。周囲の同業他社たちが、インバウンドマーケット獲得に向けて動き出している姿を見ると、経営者としては心安らかでないかもしれませんが、「隣の芝は青く見える」という言葉があります。また、“一度踏み出すと、元には戻れない道”も確実に存在します。

そして、このことは訪日観光客やインバンドマーケットだけの話ではありません。国内の他地域から誘導してくる旅行客で地域活性化を図っていこうとしている事業者・自治体があちこちにありますが、地元の人たちを置き去りにした“地域活性化”は短期的な効果を上げることはありますが、中長期的に繁栄はしません。あくまで、地元の顧客を大切にしていかなければなりません。

数年で下がってしまう目先の売上をライバルたちと一緒になって追うのではなく、自社の商品・サービスの質を高めて、いかに目の前の顧客に対して満足していただけるかを考えるべきです。そして、そのことが高収益体質の企業を創っていくのだと思います。

企業の経営陣は、新規顧客開拓に目が向きがちですが、これまで事業を行っていく中で培ってきた顧客からの信頼を高めていくことこそ、今の企業経営にとっては重要ではないでしょうか。

今回のラオックスの決算は、訪日観光客やインバウンドマーケティングに浮き足立っている今後の企業経営への警鐘のように思えます。

 

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