リコースローンとノンリコースローンの違い

経営に役立つ用語

リコースローンとノンリコースローンの違い

リコースローンとノンリコースローンの違い

リコースローンとは、現在の日本の主流になっているローンの組み方になります。

住宅ローンなどでは、家を担保にローンを借りることになりますが、住宅ローンが払えなかった場合はこの家が差し押さえになります。リコースローンでは、担保としてある家を売却しても残債が残っている場合は、この残債を払う必要があります。家に限らず車のローンなどでも同じで、車を担保にローンを組むことになりますが、車を売却してもローンが残っている場合が非常に多くあります。この場合もリコースローンではその残債を払う必要があります。

一方、ノンリコースローンとは、上記と同じく担保を元にローンを組む点までは変わりません。ここでも住宅を元にローンを組んだ場合を例に説明します。こちらも住宅ローンが払えなくなった場合はこの家が差し押さえになります。しかしながら、それですべて終了になります。その住宅の売却した後の話で残債が残っていても、融資を受けた金融機関払う必要はありません。

残債を誰が支払うか、これがリコースローンとノンリコースローンの違いになります。基本的に現在の日本のローンの仕組みはリコースローンになりますが、企業単位ではノンリコースローンによってお金を借りることが多くあります。

基本的に民事法では、借金に関しては自分の全資産をもって債務を返済するのが義務になります。しかしながら、これを企業単位へ適用してしまうとその企業の全資産をもって債務に返済するという話になり、常に会社が倒産のリスクを抱えるため、なかなか投資が行われません。このように、投資が行われないということは、最終的には国民的な不利益につながることになります。

そこで、こういった場合、企業は「特別目的会社(別名SPC)」と呼ばれる投資用の法人を作ることになります。あくまでも投資の意思に関してはこのSPCを作った親会社が行いますが、もし事業に失敗したときには、このSPCに出資した金額に収まる(有限責任)ことになります。

例えば、ビルを作るにあたってこの特別目的会社(SPC)で事業を行った場合は、あくまでも当該のビルとそれの収益以外の差し押さえはできないことになります。

このように、リコースローンとノンリコースローンには大きな違いがありますが、日本においては、一部の法人投資を除き、個人が使うものはすべてリコースローンと考えてよいでしょう。