一敗地に塗れる

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一敗地に塗れる

一敗地に塗れる(いっぱいちにまみれる)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

一敗地に塗れる(いっぱいちにまみれる)

という中国の有名な古書「史記」が出典の故事成語です。

「一敗地に塗れる(いっぱいちにまみれる)」とは

「一敗地に塗れる(いっぱいちにまみれる)」とは、
「二度と立ち上がることができないほどに敗北する」ことです。

では、出典となった「史記」の一節を見てみましょう。

劉季曰く
天下、方に擾れ、諸侯並び起る。
今將を置くこと善からずんば、壹敗、地に塗れん。
吾敢て自ら愛するに非ず
能薄くして父兄子弟を完うすること能はざらんことを恐る。
此れ大事なり。願はくは更に相推して、可なる者を擇べ、と。

とあり、現代文に訳すなら、

劉季が言った。
今まさに天下は乱れて、諸侯が群雄割拠している。
上に立つ者を置くのに、その任に堪えない者を選べば、取り返しがつかない。
自分の命が惜しいから言う訳ではなく、
私は才能がないので、皆さんの期待に応えることが出来ない、それを恐れている。
これは大事なことだから、あらためて誰かを推薦して、適任者を選んで欲しい。

といった感じになります。

ちなみに文中に出てくる劉季とは前漢を興した劉邦のことです。

人生において色々とチャレンジすることは良いことだと思いますが、一か八かのチャレンジはお勧めできません。「一敗地に塗れる」ことにならないよう、常に余裕を持ったチャレンジにしたいものです。

 

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