中小企業の人材採用募集(後編)

経営豆知識

中小企業の人材採用募集(後編)このコラムは中小企業の人材採用募集(前編)の続きとなります。

本日は知名度がほとんどない中小企業が人材採用で成功している例をあげてみましょう。

前回のコラムでリクナビやエン・ジャパンなど大手求人転職サイトを通じて採用で中小企業が苦戦していることを書きました。しかし一方で独自の採用に活路を見出し、効果を上げている中小企業もあります。今日はその一例としてリスティング広告(PPC広告)による人材採用を行っている事例をご紹介しましょう。

都内のある販売会社では、近年、人材採用に苦しんでいました。リクナビやエン・ジャパンなど大手求人転職サイトで採用募集広告を出しても年々採用状況は悪化していく中で、この会社の経営者はついに大手求人転職サイト経由での人材採用を断念して、リスティング広告(PPC広告)による独自採用に切り替えることを決断します。

そして、約1年間のリスティング広告改善の結果、今では大手求人転職サイト経由での採用数に比べて、約2倍の採用数が安定して確保できるようになってきています。

具体的な数値を公開すると、現在の応募単価は約 6,500円、応募者に対する採用率は約 10%で、1人あたりの採用単価は約 65,000円といった具合です。変わったのは採用単価だけではありません。採用後の定着率は大手求人転職サイト経由に比べ高くなっているとのことで、経営者の方の顔にも最近笑顔が戻ってきました。

この事例の場合、経営者自身がリクナビやエン・ジャパンなど大手求人転職サイトを利用するのではなく、リスティング広告による自力での採用をする強い決断を下し、結果が出るまで辛抱したことが成功の大きな要因ですが、誰でも広告費を払えば可能な採用手法でなく、ノウハウがなければ集客できない採用手法を手に入れることができたのは、競合他社との経営の差別化といった観点で非常に重要だと思います。

中小企業の経営にとって人材採用は最も重要な課題の一つです。だからこそ大手求人転職サイトに頼らず、自力での人材採用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。