悪事千里を走る

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悪事千里を走る

悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)

という中国の古書「北夢瑣言」が出典の故事成語です。

「悪事千里を走る」とは

「悪事千里を走る」とは、
悪い行ないや悪い評判、悪い噂はすぐに世間に知れ渡る」という意味です。

ちなみに出典となった「北夢瑣言」の一節を見てみると、

好事門を出でず、悪事千里を行く

とあり、現代文に訳すなら、

良い行いは、なかなか世間に知れ渡らないが、悪い行ないはすぐに世間に知れ渡る

といった感じになります。

「悪事千里を走る」といえば、英語でも「Bad news travels fast.(悪い噂はすぐ広まる)」ということわざがあるように、洋の東西を問わないようです。

経営者になって「悪いことはできないものだ」とつくづく思います。悪いことに手を出した人を何人か見てきましたが、すぐに周囲にばれますし、経営者同士の間であっという間に伝わり、その事を知らぬは本人だけといった状態になっていきます。

その結果、それまでいた友とは疎遠になり、悪い人脈の中で悪事の再生産を行なっていくという悪いスパイラルが始まってしまいます。

会社を経営する中で、苦境は何度もあり、甘い誘惑も何度もあります。その中でも心を強く持ち、悪事には手を染めないという覚悟を守り通して愚直に自社の経営を行なっていくことが、結果として企業の存続につながっていくのではないでしょうか。

 

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