李下に冠を正さず

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李下に冠を正さず

李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)

という中国の古楽府「君子行」が出典の故事成語です。古楽府とは、中国の古典詩の形式の一つのことです。

「李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)」とは

「李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)」とは、
李(すもも)の木の下で手を上げて冠の曲がったのを直していると、李を盗んでいるのではないかと疑われるとした故事から「疑惑を招くような行為は避けた方がよい」という意味で使われます。

「君子行」に出てくる原文(書き下ろし文)を見てみると、

君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に処らず、瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず、嫂叔は親授せず、長幼は比肩せず

となりますが、現代文に訳すなら、

人格者は、事が起こる以前に対策をとり、人から嫌疑をかけられるような立場に立たないようにする。瓜(うり)畑では靴が脱げても履き直さないし、李(すもも)の木の下では冠がずれてもかぶり直さない。兄嫁と弟は直接物を受け渡ししないし、年長者と幼い者は肩を並べることはしない。

といった感じになります。

文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が、貧困調査のために出会い系バーへ頻繁に出入りしていたという報道がありました。ただの風俗通いだったのか、本当に貧困調査だったのか、事実はわかりませんが、“李下に冠を正す”行為で、本当の人格者であったなら、人から疑念を持たれるような行動は避けるべきだったと言えるでしょう。

 

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