東郷平八郎|偉人列伝

偉人列伝

東郷平八郎|偉人列伝

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東郷平八郎は生前から日本海軍にとって特別な存在であり、海軍に関する大きな出来事、政策に関しては東郷平八郎にお伺いを立てなければならないということが慣例として行われました。東郷平八郎が亡くなった直後に神として祀る神社が登場し、東郷神社と名付けられたほどです。こうした東郷平八郎の神格化が後の日本海軍に大きな影響を与えることになったという指摘も多くなされています。

東郷平八郎のエピソードにはユニークなものも存在します。

イギリスに留学していた東郷平八郎はその地でビーフシチューという料理に出会いました。当然ながら日本では牛肉を煮込む、それをデミグラスソースなどと一緒に食べるという慣習はなく、ビーフシチューのおいしさに感動をし、海軍でも作ることはできないかと頼み込むようになりました。しかし、ワインなどのものが不足しており、簡単に作ることができなかったため、砂糖などで代用した結果、肉じゃがの誕生につながったと言われています。当時の肉じゃがと今の肉じゃがでは材料なども全然違いますが、牛肉を効果的に摂取することのできる食べ物として日本中に急速に広がることとなりました。

また、東郷平八郎は第二次世界大戦で勝ったアメリカでも尊敬されており、GHQによる軍事的なモニュメントの撤去作業でも東郷平八郎が日露戦争で乗船していた三笠など、東郷平八郎に関するものだけは触れさせなかったと言われています。そして、当時ボロボロだった三笠を本の売り上げなど寄付を行い、三笠の復興、保存に努めるなど当時のアメリカにおいてもいかに東郷平八郎が崇拝されていたかがわかります。

明治時代、アジアの新興国でしかなかった日本を当時の国際連盟の常任理事国の地位に押し上げるなど海軍司令官としての数々の功績を残した東郷平八郎は、日本の海軍の歴史を間違いなく築いた人物であったといえるでしょう。

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