渇しても盗泉の水を飲まず

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渇しても盗泉の水を飲まず

渇しても盗泉の水を飲まず

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

「渇しても盗泉の水を飲まず(かつしてもとうせんのみずをのまず)」

という中国の古書「猛虎行」が出典の故事成語です。

「渇しても盗泉の水を飲まず」とは

「渇しても盗泉の水を飲まず」とは、
どんなに困っていても、不正なことには手を出さない」という意味です。

ちなみに出典となった「猛虎行」には、

孔子が旅先で「盗泉」という名前の場所を通りがかった時のこと、非常に喉が乾いていたにもかかわらず、「盗泉」という名前を嫌って、そこの水を飲まなかった。

という内容の故事が書かれています。

「渇しても盗泉の水を飲まず」は、多くの人に様々な教訓を示唆してくれる言葉ですが、特に会社経営者にとっては、特に重要な精神ではないかと思います。

自分自身も経営者の端くれですが、会社を経営する上で苦しい時期は必ず訪れます。その時に、法的にブラックやグレーだけど楽にお金が稼げることに出くわしても手を出してはいけません。

会社経営は、単なるお金儲けのビジネスではなく、何のために営むのかという理念なくして、長期的な繁栄はありません。目前の危機といえども、理念なき企業活動は、早晩、社会からの存在意義を失ってマーケットから退場を言い渡されます。苦しい時だけは許される不正などないことを肝に命じておくべきです。

 

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