確証バイアスとは?

経営に役立つ用語

確証バイアスとは?確証バイアスとは、一言で言うと「自分の先入観に基づき、自分にとって都合が良い情報しか見ず、都合の悪い情報は切り捨ててしまう」傾向を指す心理学上の用語です。

「確証バイアス」は、人間は思い込みから逃れにくいような思考回路を持った生き物だから引き起こされるものと言えるでしょう。

人間は誰でも、自分の考えが間違っているとは思いたくありません。なぜならそれは心地よくないからです。不快、不愉快だから、人間誰しも進んで「自分が間違っている」という思いはしたくありません。しかし、もちろん客観的に言って自分の考えは正しいこともあれば間違っていることもあり、さらには正しいとも間違いともいえないこととか、一部正しくて一部は間違っているとか、あるいはそもそも正しいとも間違いとも言えないような、種々の状況があるわけです。

世の中には数理的に言って正しいか間違いかをスパッと断定できるような事柄ばかりではありません。むしろそうではない、人によって意見が異なるとか、正しいか間違っているかの唯一の正解などない物事のほうが多いかもしれません。そういう意味では、世の中には様々な情報が溢れています。自分の思っていること、自分の考えを支持する情報もあれば、その逆の情報もあるわけです。「確証バイアス」はこのようなときに特に強く現れてきます。

つまり、人間というものは、知らず知らずのうちに自分が不愉快になることを拒否し、心地よくいたいがために、得てして自分の考えを支持する情報ばかりを収集して自分の考えは間違っていないという認識を高めがちであり、自分とは反対の考えには耳を貸さず、自分と異なる考えや情報は大したことのないものだとか、重要性の低い情報だと勝手に思い込んで切り捨ててしまいがちなのです。

「確証バイアス」について、具体的なビジネスの世界での例を挙げると、仮にここで何らかの企画のプレゼンをするとしましょう。すると、自分の企画、提案を支持し、裏づけ、サポートしてくれるような情報ばかりを集めてきがちであり、そのような企画や提案を否定したりするような情報は初めから目に入ってこなかったり、あるいは目にしたとしても切り捨ててしまい、自分のプレゼンを修正するような方向にはなかなか向かいません。

「確証バイアス」は誰にでもあります。もともとそんなものを持っていない人間などいないと言い切ってもよいでしょう。自ら進んで自分を不快な状態におきたがる人間など普通はいないからです。しかし、それでは世の中の一面しか見ていないことになります。

自分の幅を広げるためには、「確証バイアス」を意識し、あるときには意図的に自分の考えとは違う考え方に無理にでも触れてみることが有用と言えます。