衆院選獲得議席から考える〜2017衆院選

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衆院選獲得議席から考える〜2017衆院選特別国会の冒頭で解散し、憲法改正と消費税増税が大きな争点となった2017年の衆院選が終わりました。

最近の一部マスコミ報道では、投票率が低い選挙は民意を反映していないかのような報道もされていましたが、今回の投票率は 53.60% で、前回の衆院選での 52.66% と比較しても、台風が近づく最悪の天候の中、まずまずの数字だったと思います。

今回は、2017年の衆院選の獲得議席の確認とともに、勝者が誰だったのかについて考えてみることにします。

政党別 獲得議席一覧 〜 2017衆院選

まずは、各政党別の獲得議席を見てみることにしましょう。

政党別 獲得議席一覧(確定)

政党名 改選前議席数 2017衆院選
獲得議席
自民党 287 284
民進党 87
立憲民主党 55
希望の党 11 50
公明党 35 29
共産党 21 12
日本維新の会 15 11
社民党 2 2
自由党 2 0
無所属 12 22
欠員 3 0
合計 475 465

2017衆院選の勝者は?

もともと定数が10減る中で行われた衆院選ですが、民進党が「希望の党」「立憲民主党」「無所属」と3つに分かれ、野党が中道右派・中道左派の分裂選挙となった選挙区が多くなったことから、自民党にとって有利な選挙戦になったようです。

左派・リベラル系の支持層が年々確実に減ってきている一方で、ここ数年は野党候補の一本化によって何とか勢力を維持してきた形だったわけですが、今回の衆院選のように左派・リベラル系の候補者が複数立候補する形では自民党に勝つことは難しいと言えそうです。

希望の党の体制が整わず、民進党が蓮舫氏の「二重国籍問題」や山尾志桜里氏の「不倫お泊まり報道」で支持率が低迷している状況で解散総選挙に打って出た安倍総裁の決断が、民進党の自壊を生み、左派・リベラル系の分裂を生んだと言えます。

2017衆院選の結果を考える

まず、与党にとって不利に働くはずの消費増税・憲法改正が争点となった中で、自民党が衆院選に圧勝し、1強多弱の状態になったことは予想外の結果でしたが、緊迫する北朝鮮情勢を考えれば、安定政権ができることは日本にとっても良いことではないでしょうか。

一方、立憲民主党と希望の党がそれぞれ50議席前後を確保したことで、共産党ではないリベラル層、自民党ではない保守層の支持政党が新たに生まれて多様化し、国会での憲法改正論議が進むことが期待できそうです。

最後に、今回の衆院選でも、一部テレビや新聞といったマスコミによる「偏った報道姿勢」といった問題が表面化しました。特にワイドショーのコメンテーターを中心に「偏向発言」が目立ち、今後、マスメディアの公平性をどう担保するのかが大きな課題になりそうです。