鴻鵠の志(こうこくのこころざし)

故事成語 故事成語・ことわざ

鴻鵠の志(こうこくのこころざし)

鴻鵠の志(こうこくのこころざし)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

鴻鵠の志(こうこくのこころざし)

という中国の古書「史記」陳渉世家が出典の故事成語です。

「鴻鵠の志(こうこくのこころざし)」とは

「鴻鵠の志(こうこくのこころざし)」とは、
大人物の志や壮大な考え」という意味で使われます。

ちなみに出典となった「史記」の一節を見てみると、

陳渉少き時、嘗て人と与に傭耕す。耕を輟めて壟上に之き、悵恨すること之を久しくして、曰わく、もし富貴なりとも、相忘るること無からん、と。
庸者笑って応えて曰わく、若、庸耕を為す。何なんぞ富貴ならんや、と。
陳渉太息して曰わく、嗟乎、燕雀安んぞ鴻鵠の志を知しらんや、と。

となりますが、現代文に訳すなら、

陳勝が若い時、他の人とともに雇われて農耕していました。耕す手を止めて小高い丘の上に行き、しばらく嘆いた後、私が出世して偉くなってもお互い忘れないようにしよう」と言いました。
それを聞いた雇い主は「お前は雇われて田畑を耕している。出世するわけがない」と笑って答えました。
すると、陳勝はため息をついて「ツバメやスズメのような小さい鳥には、大きな鳥の志を理解できない」と言いました。

といった感じになります。

その後、陳勝は呉広とともに秦に対して反乱(陳勝呉広の乱)を起こして楚王となります。その後、陳勝が起こした反乱自体は鎮圧されましたが、各地の反乱の呼び水となり、劉邦による漢建国のきっかけとなったのです。

 

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