コマーシャルペーパー(CP)とは?

経営に役立つ用語

コマーシャルペーパー(CP)とは?

CPとは

CPとは、コマーシャルペーパー(Commercial Paper)の略であり、企業が短期で資金調達を行うための無担保約束手形のことを指します。

企業が直接金融を通じて資金調達を行うという意味で、コマーシャルペーパー(CP)は社債とほぼ同じ性格を持っています。ただし、社債の場合、償還期間が通常1年以上と長期になっており、法的な観点からすると、有価証券として規定されています。

一方のコマーシャルペーパー(CP)は、償還期間が通常1年未満になっており、多くの場合30日以内になっています。また、コマーシャルペーパーは、法的な位置付けが有価証券ではなく手形になります。そのため、社債の取り扱いは証券会社になりますが、コマーシャルペーパーは手形であることから銀行などで扱われることがあります。

コマーシャルペーパー(CP)は、通常割引形式で発行されます。割引形式とは、100円の額面に対し、金利分を差し引いた額で売り出しを行い、額面100円で償還する形式のことです。コマーシャルペーパーの金利は、社債同様に発行する企業の信用力を反映します。そのため、信用格付けの高い企業のコマーシャルペーパーの金利は低くなり、信用格付け低い会社の金利は高くなります。

コマーシャルペーパー(CP)はアメリカで生まれた仕組みであり、日本では1987年11月から発行が開始されています。最近では、資金調達の手段としてCPを発行している企業が増えており、2003年3月から電子コマーシャルペーパーの運用も開始されています。

コマーシャルペーパー(CP)を発行する企業は、一般的にプライムレートよりも低い利率で資金調達を行うことが可能です。そのため、銀行からローンを借りる以外の方法として、CPを位置付けている企業もあります。

コマーシャルペーパーは無担保の短期手形になりますので、信用力の高い企業しか発行することができないという特徴があります。CPを発行している企業は、金融市場から優良企業と考えられていると言うこともできます。

アメリカでは、2002年から無担保のコマーシャルペーパーではなく、資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)が導入され、市場規模が拡大しています。日本でも、資産担保コマーシャルペーパーも導入されていますが、市場規模は伸び悩んでおり、通常の無担保コマーシャルペーパーを発行する企業が大半を占めているのが現状です。