Tor(トーア)とは?

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Tor(トーア)とは?Tor(トーア)とは匿名通信と呼ばれているシステムのことで、簡単に言ってしまえばサーバーにアクセス元のIPアドレスを残さないようにすることができるものだとされています。

一般的にはインターネットを利用していてとあるウェブサイトにアクセスしたりメールの送信をすると、その時点でサーバーにどのウェブサイトにアクセスしたのか・誰がメールを送信したのかなどの情報が常に登録され続けます。

これは履歴として保存しておく必要があるデータなのですが、これが悪用されてしまった場合はIPアドレスを特定されたり成りすましなどの被害に遭遇してしまう可能性があるので誰にも見られないようにする必要があるのです。そのため開発されたのがTor(トーア)であり、Tor(トーア)を使うことによって匿名通信をすることができるようになります。

では、Tor(トーア)はどのような仕組みで匿名通信をすることができるようになっているのかを見てみましょう。

通常、コンピューターからウェブサイトやメールの送信先のアドレスまでの通信経路は一本化されているのですが、Tor(トーア)では、そこに他のコンピューターなどを使って中継地点を追加して経路を複雑化するというものになっています。

しかも中継地点は1つだけではなく複数作り出すことができるようになっているので、複数の中継地点を作り出すことによって経路をより複雑化して、発信源を追跡しにくくすることができるのです。

また、この経路についてのログは残されないので履歴からどのような経路を辿ったのかと言うところを確認することは出来ませんし、経路の出口までの内容は全て暗号化されているというところも大きな特徴になっています。この経路の複雑化は「リレー」と呼ばれているのですが、これがTor(トーア)の重要な鍵となっています。

現在ではこのシステムを応用してTor(トーア)経由でしかアクセスすることができない専用サイトというものもあり、より情報の機密性を高めることができるようになってきています。

また誤解されている部分も多いのですがリレーをしているからといって通信速度が遅くなると言う事はありませんし、使い方も簡単なので手軽に匿名通信をすることができます。

ただし匿名通信ができるからといって完璧にIPアドレスを隠すことができるというわけではないので、利用する場合は基本的な知識や技術を身につけて対策を取るようにする事が重要だとされています。