健康経営と健康宣言

健康経営と健康宣言

健康経営とは?

すべての従業員が心身共に健康に働くことができてこそ、企業そのものも活性化して業績及びイメージアップにもつなげていけることから、企業側が従業員の健康に配慮し、それを企業戦略の一つとして行っていくのが「健康経営」です。

健康経営と健康宣言

近年、この「健康経営」への具体的な取り組みが大企業を中心に活発化していますが、その実施にあたって、全国健康保険協会の各都道府県支部などに、企業全体で従業員の健康づくりに取り組むということを明言し、参加表明することを「健康宣言」と呼んでいます。

実質的に「宣言」をして参加表明するには、全国健康保険協会の各自治体支部サイトなどで用意されているチェックシートに記入していくことで職場の健康課題を把握して、それを元に健康づくりの取り組みのためのメニューを決め、健康宣言を行います。

自治体によって多少の違いが見られますが、健康宣言を行った企業には、各種のサポートや、一定の取組みを行った企業に対して、認定や表彰を行うことも企画されています。「健康経営優良法人認定制度」という制度を設けて、一定の成果を上げた企業には「健康優良企業」として認定するといった仕組みを導入している健康保険組合もあります。健康優良企業として認定を受けることで、企業の側は、企業イメージを大幅にアップさせることができ、求人広告などにおいて、積極的に健康優良企業としてアピールすることが可能となります。

健康経営・健康宣言と就活世代

従業員の健康への配慮を欠くどころか、過労死や過労自殺に追いやるまで働かせるブラック企業の恐ろしさが報道されるようになり、今後就職活動を行う若い世代は、自分の未来の勤め先がブラック企業かホワイト企業かを必死で見極めようと、インターネット検索などを駆使してとことん調べます。

今は、企業名を検索ワード欄に入れるだけでブラック企業かどうか結果を表示するサイトや、各企業で実際に働いている人もしくはかつての従業員が職場の雰囲気などを詳細に記載する口コミサイトなどもありますが、企業の側にしてみれば、そういったサイトで少しでもブラック企業の要素があると判断されるような情報が掲載されてしまった場合、その時点で、将来有望な就職希望者が、その企業への就職は全く考えないことになります。

一人がそっぽを向く結果ならまだしも、今はそういった情報をSNSで共有することが当たり前だけに、たとえ不確かな情報であっても「この企業はブラックらしい」といった口コミが瞬く間に広がり、多くの就職活動をする学生に「ブラック認定」されてしまう事態に陥ります。

健康優良企業のような認定制度がある自治体であれば、その認定を受けておくだけで「健康に配慮された職場環境で、快適に働くことができる企業」というイメージが高まり、ブラック企業と呼ばれるリスクを回避することができます。

学生時代から、いじめによる自殺などの報道に心を痛めている現代の若い世代は、ブラック企業での過重労働やパワハラによる過労や精神障害などを非常に恐れています。過酷な勤務での高収入獲得よりは、賃金は平均的でも、毎日心地よく働ける職場のほうを選ぶ傾向が、以前にも増して強まっています。

健康経営に積極的に取り組み、従業員が健康に働ける職場環境を整えている企業という評判は、少子高齢化の加速によって、今後企業間で取り合いになると考えられる有望な若手社員を獲得しやすくなると言えます。

健康経営・健康宣言と高齢化

今後高齢化が進み、加齢によって作業効率が落ちてしまうことが懸念されるシニア世代にとっても、健康経営の重要性は高まっています。企業にとっては、長年スキルを磨き、無くてはならない存在になっているベテラン従業員に少しでも長く、若い時と変わらないような健康で生き生きとした働き方をしてもらうことで、業績の低下を防ぐことができます。

直接の経営面だけでなく、病気のリスクが高まるシニア世代の医療費が増えることで懸念される、健康保険組合の業績悪化という事態への対処も可能となります。年齢にかかわらず、従業員がひとたび重大な病気に罹ってしまうと、通院によって欠勤や早退が避けられなくなり、入院してしまうと長期休暇ということになります。企業にとっては、それだけで大きな損失です。

従業員全体の健康維持と向上に努めることは、企業そのものが健全な経営状態を維持し、高めていくために直接かかわってくる重要な使命とも考えられます。

健康経営・健康宣言のメリット

健康経営に着手し、それを健康宣言によって世の中に表明することによって、健康に最大限配慮されている働きやすい職場という良いイメージが高まり、さらにその評判が広まることで、将来有望な若手が就職を希望し、ベテラン従業員はいつまでも働きたい職場として愛着を深めてくれるようになります。

そして「従業員を大切にする企業」というイメージは、製品ユーザーや顧客にとっても好ましい印象を深め、企業ブランドそのものを高めることにもつながっていきます。

このように健康宣言をして、積極的に健康経営を行っていくことで得られるメリットは、直接的にも間接的にも数多くあると言えるでしょう。

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