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偸梁換柱(とうりょうかんちゅう)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第二十五計
「偸梁換柱(とうりょうかんちゅう)」
です。
「偸梁換柱(とうりょうかんちゅう)」とは
「偸梁換柱(とうりょうかんちゅう)」とは、
梁に使うような木材を柱に使うと建物が倒れることから「こっそり物事の本質や内容をすり替え、まんまと相手をだます」計略のことです。
「偸梁換柱」の話
イタリアのルネサンス期の政治思想家 マキャベリは、
人間は単純である。目先の利益には弱く、詭計に陥りやすい。巧妙に偽装せよ。
君主に大切なことは信義を守り、仁慈誠実で、人情に厚く、信心深そうに見せることである。
善く見せることは容易である。人民は外見と結果だけで判断する。手を触れて実体を確かめることのできるのは少数の側近だけであり、大衆を動かす力はない。
人間は改革に対して抵抗するものである。したがって政体の変革をスムーズに成し遂げようと思うなら、実体は変えても、外見を変えないようにしなければならない。民衆は、外見だけで判断するものであり、外見さえ変えなければ、実体の変わったことに気づかないからである。
と言っています。
最近で言うと、2017年の衆院選で、民進党の議員が大量に希望の党に合流するということがありました。旧民進党の議員たちが国民を騙そうとしたわけではないでしょうが、見た目で判断する人たちも多く、新党は得票的に有利に働きがちだということを計算に入れていたはずで、その意味では自己保身と言われても仕方ないかもしれません。
個人的には謀略の類は好きではありませんが、「偸梁換柱」のように、こっそりと中身をすり替えて相手を騙そうとする人たちが存在することも事実です。それを踏まえて、特に中小企業の経営者は、外から見える部分だけでなく、物の本質を見る癖をつけておくべきでしょう。