共謀罪で困る人ってどんな人?

共謀罪で困る人ってどんな人?

共謀罪で困る人ってどんな人?

国会に“共謀罪”法案が提出されましたが、この“共謀罪”とはどういうものなのか、“共謀罪”で困る人とはどんな人なのか、について気になったのでまとめてみることにしました。

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“共謀罪”とは?

日本の刑法では、犯罪の実行もしくは犯罪の実行に着手することが罪としての構成要件ですので、国家転覆を企むなどの場合を除き、共謀罪はありません。ただ、一般的な解釈として考えると、“共謀罪”とは「複数の人が犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意をしたことに対する罪」と言えるでしょう。

どんな場合に“共謀罪”に問われるか?

国会に提出された“共謀罪”は「組織的な犯罪の共謀罪」になります。法務省によると「法案の共謀罪は,違法性が高く,結果が実現する危険性も高い「組織的な犯罪」を実行しようと共謀した者を処罰の対象とするもの」で「特定の団体に参加する行為や,特定の犯罪と結び付かない結社を組織する行為を処罰するもの」ではありません。

では、「組織的な犯罪」とは、どういう犯罪なのでしょうか?

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法務省によると、「組織的な犯罪」とは

  • 暴力団組員らが、対立する暴力団の構成員を襲って監禁した上、拳銃で射殺することを計画
  • テロ組織の構成員らが、空港の管制塔を占拠した上で、政府に対し、刑務所に収容中の仲間の釈放等を要求することを計画
  • 暴力団組員らが、談合をしていると因縁を付けて事業者らから現金を脅し取ることを計画
  • 詐欺集団の構成員らが、不特定・多数の者に電話を掛け、近親者の起こした交通事故の示談金の名目で金を銀行預金口座に振込送金させて騙し取ることを計画
  • 建築会社を標榜する集団の構成員らが、本来不要な建物リフォームの施工代金の名目で金を騙し取ることを計画
  • 架空の出版社を装う集団の構成員らが、いわゆる「紳士録」 に氏名が掲載されている者から掲載料又は記事抹消料の名目で金を騙し取る,又は脅し取ることを計画
  • 外国人すり集団の構成員らが、電車内で女性や老人を多数で取り囲み刃物でバッグを切り裂くなどして、財布を奪い取ることを計画
  • 海賊版CDの販売を繰り返している集団の構成員らが、人気歌手の多量のCDを無断でコピーして販売することを計画
  • 偽ブランドの販売を繰り返している集団の構成員らが、海外の有名ブランドの偽物のバッグを輸入して販売することを計画
  • いわゆる脱税請負人集団の構成員らが、帳簿を操作するなどして多数の会社の脱税を行うことを計画
  • 密航請負組織の構成員らが、多数の外国人を我が国に不法入国させることを計画
  • いわゆるヤミ金融業者の社員らが、無登録かつ法定の制限を超える高金利で不特定・多数の者に対する金銭の貸付けを計画
  • 暴力団組員らが、常設賭博場を開いて利益を得ることを計画

が例示されています。一方で「組織的な犯罪」にならない例としては、

  • 会社の同僚数名が、居酒屋で、上司の悪口で盛り上がり、「殺してやろう」と意気投合
  • 労働組合の組合員らが、団体交渉の一環として賃上げを勝ち取るまで社長を帰さない覚悟で交渉に臨むことで合意
  • マンション建設に反対する町内会と環境保護NGOのメンバーらが、建設阻止運動の一環として,建設会社のロビーで座り込みをすることを計画
  • 新聞社の社内会議で、汚職の疑惑のある公務員に対して、多少脅してでもコメントをもらうことで合意
  • 建設会社の社員らが、材料費の水増し請求をして建設工事の発注元から金員を騙し取ろうと計画
  • 多重債務者救済のため活動している消費者団体の会議で、ある消費者金融業者の貸出金利を引き下げさせる目的で、その業者の広告を掲載している新聞の不買運動によって圧力をかけることを計画
  • 近所の主婦同士が、井戸端会議で、仲の悪い主婦の話題 になり、「嫌がらせに自転車を盗もう」と意気投合
  • 友人数名で代金を出し合ってCDを1枚購入し、人数分コピーすることを合意
  • バッグを販売する会社の会議で、ライバル社の売れ筋商品とそっくりのバッグを販売することを決定
  • 会社社長が,会社の業績が思わしくないことから、顧問税理士と話し合い、脱税をすることを計画
  • 公職の選挙の立候補者の運動員らが、対立する候補者のポスターに落書きすることを計画
  • サークルの仲間同士で、来る新入生歓迎コンパでは力ずくでも新入生に酒を大量に飲ませて酔いつぶれさせてしまおうという話で意気投合

これはこれで問題ある行為のオンパレードですが、これらは共謀して計画するだけでは罪にはなりません。

ここまで見ると、国会に提出された“共謀罪”は「犯罪をすることが目的の犯罪者集団に所属」している人のみが対象ということが見えてきます。

民進党の山尾志桜里議員が、国会で保安林でキノコ採るのは共謀罪になるのか?と質問していましたが、採っては行けない場所でキノコ採ること自体は“共謀罪”でいう「組織的な犯罪」と関係なく、犯罪をすることが目的の犯罪者集団が犯罪の準備目的でキノコを採れば「組織的な犯罪」ということになります。

“共謀罪”の対象となる人とは?

ということで、“共謀罪”の対象となる人は「犯罪をすることが目的の犯罪者集団に所属し、共謀して犯罪を働く人」ということになります。一般の生活を行なっている人には無縁といって良いでしょう。

国会に提出された“共謀罪”で気になるところがあるとすれば、犯罪をすることが目的の犯罪者集団に所属していることに気づかないまま、巧妙な犯罪計画の駒にされつつある人をどう守ってあげるか、というあたりだと思います。

野党である維新の会は、“共謀罪”について、取り調べの可視化を要求していますので、その辺が担保されると問題ない法案になりそうです。

“共謀罪”に反対している人ってどんな人?

では、“共謀罪”に反対しているのはどんな人たちなのでしょうか?

まず政党から見ていくと、民進党、共産党、自由党、社民党は反対&廃案を目指しています。次に新聞社ですが、朝日新聞・毎日新聞・東京新聞は明確に反対の立場です。さらにジャーナリストで反対を表明している人たちが多数いる状況です。
(青木理、岩上安身、大谷昭宏、金平茂紀、岸井成格、小林よしのり、斉藤貴男、神保哲生、田勢康弘、田原総一朗、津田大介、鳥越俊太郎、安田浩一、吉岡忍など:敬称略)


“共謀罪”に反対することは、一方で「犯罪をすることが目的の犯罪者集団に所属し、共謀して犯罪を働く人」を守ることにも繋がります。ただ反対・廃案を叫ぶだけではなく、国民の安全を守る何らかの対案を持って、前向きな論議をしてもらいたいと思います。

 

追記

“共謀罪”法が国会で成立しました。中核派や他の新左翼集団との関係性の深さを考えると、共産党や旧社会党系の民進党・社民党あたりは“共謀罪”に反対するしかないのでしょうが、森友学園や加計学園問題に逸らすのではなく、どうやったら国民の安全を担保できるか観点で向き合い、意見を戦わせて対案を出すことが必要だったと思います。

何れにしても、今後、民進党・社民党・共産党・自由党の野党4党においては左翼系の過激集団との関係清算が課題になりそうです。

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