整理解雇の四条件とは?解雇に関する基本法である労働契約法第16条には、解雇に関する基本的な条件が書かれています。そこには、解雇が客観的に合理的な理由を欠いている場合で、社会通念上相当と認められない場合は、解雇は無効であると定めています。

雇用契約において、契約期間が定められている場合は、通常はその契約期間までは雇用をし続けなければならない当然の規定となっています。しかし、日本で行われている雇用契約の多くは雇用期間の定めはなく、定年退職を迎えるまでの雇用を前提とした、いわゆる終身雇用制が常態化しています。

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高度経済成長期の日本では、終身雇用を行うだけの経済的余裕が企業にありました。しかし、バブル経済の崩壊とグローバル経済の到来と言った経済環境の変化により、日本の企業は終身雇用を行う余力をなくし、整理解雇が珍しいことではなくなりました。

終身雇用を前提とした社会で整理解雇が増加したことで、法整備や社会制度が社会実態と遊離し、それらに改変の動きが顕在化しました。

整理解雇の四条件とは、そのような社会情勢の変化の中で、安直な解雇を増加させないための方法として用意されました。整理解雇の四条件は、解雇をめぐる裁判所の判断に一定の指針を示すこととなり、社会的混乱を生じさせない上で役立っています。

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整理解雇の四条件とは、人員整理の必要性解雇回避努力義務の履行被解雇者選定の合理性手続の妥当性の四つです。

人員整理の必要性は、企業等が人員整理を行わなければ、企業の維持存続が危うい程度に差し迫った必要性が認められる場合などに認められます。

解雇回避努力義務の履行は、役員報酬の削減や新規採用の抑制、希望退職者の募集や配置転換及び出向などにより、解雇回避努力を行ってから出なければ整理解雇は認められないのが内容です。

被解雇者選定の合理性は、被解雇者選定において、社会通念上の妥当性があるかどうかが問われます。

手続の妥当性は、整理解雇の要件の中で最も重視されるものです。整理解雇の他の条件を満たしていても、説明や協議など納得を得るための手順を尽くしていなければ、解雇は認められない規定です。

整理解雇の四条件の定めは、終身雇用社会からの転換を迫られる日本社会の過度期的制度として位置づけられます。

今後の日本社会は無期雇用契約から有期雇用契約への雇用契約の見直しが進み、雇用の流動化が促進されます。それに伴い、勤務先に依存しない社会保障制度の充実や、企業内の人事制度の見直し、副業の解禁、在宅勤務やクラウドソーシングの一般化が急速に進むことで、整理解雇の四条件は事実上、形骸化することが予想されています。

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