森友学園問題を時系列で検証してみた

真相まとめ 報道されない話

森友学園問題を時系列で検証してみた国会での予算審議において、メインの議題?になっている「森友学園問題」について、国会の論戦やマスコミ報道を見ているだけでは、何が問題で誰が悪いのか、そもそも問題になるような事案なのか、が全く見えてきません。

民進党、共産党あたりは、安倍政権の失態として「森友学園問題」を追求したいようですが、土地の売主が近畿財務局、買主が大阪府の学校法人、開校する小学校は大阪府ということで、大阪府の管轄の問題のようにも思えます。

とはいえ、民進党、共産党あたりの見立て通り、ひょっとしたら、国の予算審議よりも優先度合いが高い「疑惑」かもしれません。

そこで、現在まで明らかになっている「森友学園問題」に関する事実関係を時系列で並べて検証してみることにしました。事実関係を時系列で見ることで、断片的なマスコミ報道では見えてこない “真実” が見えてきたように思います。

「森友学園問題」に関する事実関係を時系列で並べる前に、「森友学園問題」について復習してみましょう。

森友学園問題とは?

学校法人森友学園は、大阪市淀川区に本部を置いて幼稚園や保育所を運営する私立の学校法人です。

学校法人森友学園では、2017年4月に「瑞穂の國記念小學院」という小学校の開校を予定していて、その土地取得(土地は元国有地)に関して、何らかの便宜が図られたのではないかという疑惑を民進党、共産党などが国会の予算審議の場で追求しています。

また、極右の思想を持った学校法人として、籠池理事長の過去の言動や系列である塚本幼稚園の教育方針が問われている問題です。

「森友学園問題」とは、大雑把に言うと、

  • 土地売買の過程で口利きや便宜が図られたのではないか?
  • 小学校の認可の過程で口利きや便宜が図られたのではないか?
  • 籠池理事長の政治思想や政治活動と政治家との関連性はないか?

あたりに集約されるように思われます。
 

問題となっている土地について

大阪・豊中市野田町の国有地8,770平方メートルが対象の土地です。もともと大阪空港(伊丹空港)の騒音対策による住居移転で空いた土地でしたが、阪神淡路大震災で仮設住宅になった後、再度更地になりました。

森友学園へ売却前の所有は国土交通省で大阪航空局が管理、土地売却の担当は近畿財務局でした。

さて、ここからが本題です。次は、「森友学園問題」に関する事実関係を時系列に並べてみることにしましょう。
 

森友学園問題の時系列

時期 起こったこと 土地の状況
 2012年
2012年01月 大阪音楽大学が最大7億円での購入を希望 (2009年〜2012年)
売却にあたって国土交通省大阪航空局がレーダー探査などによって地下の状況を調査

地下3メートルの深さまで廃材やコンクリート片などが確認されたほか、土壌の一部にはヒ素や鉛が含まれていたことが判明。

2012年07月 近畿財務局は時価9億円超での売却を希望し、大阪音楽大学側は購入断念
2012年10月 「現物出資」として所有権が新関空会社へ移転
2013年
2013年01月 錯誤により所有権が国土交通省に戻る
2013年04月 豊中市が約472平方メートルを特定有害物質の汚染区域に指定
2013年6〜9月 当該国有地の売却を公募
2013年08月 籠池氏が兵庫県議 黒川治氏(自民)を通じて鴻池参院議員に接近
2013年09月 森友学園が土地の取得を要望
籠池氏より鴻池事務所に相談

「財務局より7~8年賃借後の購入でもOKの方向だが、財務局から土地取引の前提として大阪府から小学校設置認可を受けるよう求められたので何とかして欲しい」と要望

2014年
2014年01月 籠池氏より鴻池事務所に相談

「土地評価額10億。10年間の定期借地として賃料年4%、賃料年約4000万円の提示有り」と説明し「高すぎる」「何とか働きかけして欲しい」と要望

2014年10月 森友学園が大阪府私立学校審議会に小学校の新設認可を申請
2014年12月 大阪府私立学校審議会が森友学園の認可答申保留
大阪府議・中川隆弘氏(大阪維新の会)と面会
2015年
2015年01月 大阪府私立学校審議会で小学校の新設が認可適当とされる
2015年02月 当該国有地を森友学園側へ貸し出した後に売却することについて国有財産近畿地方審議会で了承される
2015年05月 近畿財務局が森友学園と10年間の定期借地契約と期間内(概ね8年以内)の売買予約契約を締結
2015年07月 (2015年07〜12月)
森友学園が全域の地下3mまでのコンクリート片など720トンと、鉛などの汚染土1090トンを除去し、汚染区域の指定は解除
2015年09月 近畿財務局、大阪航空局、設計業者、工事業者の4者で産廃の処分方法について協議

近畿財務局「産廃残土処分の価格が通常の10倍では予算がつかない。借主との紛争は避けたいので、場内処分の方向で協力して欲しい」

2016年
2016年03月 校舎や体育館を建設するための杭打ち作業中に、さらに深い地中から廃材や生活ゴミなどの新たなゴミが見つかる
東京の財務省内で籠池氏が同省理財局幹部と面会
森友学園側が土地の購入を申し入れ
地下3mまでのゴミ除去費1億3176万円を国が負担する合意書が森友学園側と財務省側で交わされる
2016年04月 森友学園が廃材などの撤去工事や土壌改良を行ったことを現地で確認した上で、当初から確認されていたゴミ撤去費用として、1億3176万円を学園側に支払い
2016年06月 森友学園が1億3400万円(年利1%の10回払い)で土地を買い取る
評価額:9億5600万円
ゴミ撤去費用:8億1900万円

 

結局、森友学園問題って何なの?

時系列に並べてわかったことは、当該の土地が特定有害物質の汚染区域になるような問題の土地だったこと。

途中で、所有者だった国土交通省が新関空会社に現物出資したわけですが、どうやらその後に、相当量の産廃が地中に残置され、有害物質に汚染されていることが判明したのでしょう。「錯誤」として所有権が国土交通省に戻っています。

この曰く付きの土地を処分したとして考えれば、定期借地契約をしてその期間内に売却するとか、産廃処理の見積もりを国土交通省が行うといった通常ない売却の流れとなったことは割と筋が通ってきます。

ただ、一点理解できなかったのは、2015年の9月に近畿財務局、大阪航空局、設計業者、工事業者の4者が打ち合わせをした際、産廃等の処分について「場内処分」の方向性を出したことです。

この打ち合わせを受け、元々地下3メートル付近にあった廃棄物等を「場内処分」の名の下に、より深い地中に埋め戻して、それが2016年の3月に工事中に発覚したのか、あるいは「場内処分」の方針を変えて、別の場所へ正当に処分を行ったのか、は気になるところです。

結局、森友学園問題とは、森友学園自体に色々あるけど(曰く付きの土地としては)案外普通の取引といったところで、細かい疑問は大阪府議会か大阪市議会で解明してもらえれば良いかと思います。

 

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