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仮痴不癲(かちふてん)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第二十七計
「仮痴不癲(かちふてん)」
です。
「仮痴不癲(かちふてん)」とは
「仮痴不癲(かちふてん)」とは、
「愚鈍を装って相手に警戒心を持たせず、時期の到来を待って行動する」計略で、「仮痴」とは知らぬふりをすること、「不癲」とはむやみに動き回らず平静でいることを指します。
「仮痴不癲」の話
中国の三国時代、魏の司馬懿は、蜀の孔明からの度重なる挑発にも乗らず、蜀軍の北伐から国を守りました。
孔明の死後、魏の兵権を掌握した司馬懿ですが、宗室の筆頭格であった曹爽と対立し、曹爽は司馬懿を名誉職に祭り上げて兵権を取り上げようとしました。そこで、司馬懿は外部との交流を断って自邸に引きこもって重篤な病気であるかのように振る舞い、油断をした曹爽が都を留守にした隙に、クーデターを起こして兵権を掌握し、曹爽一派の排除に成功しました。
そしてその後、司馬懿は皇帝をしのぐ権勢を得て、孫の司馬炎が禅譲を受ける土台を作り上げていくことになります。
聡明に見せて動き回るばかりが正しい選択ではありません。時期が自らに向いていない時は、動き回るのではなく、周囲から警戒心を持たれないように振る舞い、時期が来るのを静かに待つことも大切です。