広域戦〜強者の五大戦略|ランチェスター戦略

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広域戦〜強者の五大戦略|ランチェスター戦略

広域戦〜ランチェスター戦略

ランチェスター戦略において、弱者の戦いは差別化、強者の戦いはミートが大事と言われています。

弱者の戦いで大事な差別化とは、武器の性能、武器を扱う腕前の能力を高めるということで、いわゆるスペシャリストを作り出すということが大事になります。

具体例を出せば、戦国時代の騎馬隊、鉄砲隊といった、その当時に登場した武器や勢力がその時代を席巻し、少ない人員でも大軍に勝つことができ、歴史も大きく変わりました。

強者の戦いで大事なミートというのは、相手に合わせることを意味しており、弱者と同じレベルまで武器の性能、腕前を高め、差別化でのリードを失わせ、人員の数で押し切るというものです。

そんなランチェスター戦略の強者の五大戦略の中に「広域戦」というものが存在します。

「広域戦」とは広い範囲で行う戦いを意味します。広い土地で大軍を生かすような戦い方で、再び戦国時代で具体例を出すと、武田信玄が野戦で兵力に劣る敵(徳川家康・織田連合軍)を散々に破った三方ヶ原の戦いが一例です。

弱者が同じような戦い方をすると、必ずムラが生まれ、戦力の薄い部分が出現し、そこを突かれてしまいます。これでは弱者はジリ貧となり負けるのは明白なため、局地戦、接近戦に持ち込ませようとします。こうなってしまえば強者としてのアドバンテージが薄らぐどころか、場合によっては敗れてしまいます。そうならないよう、広域戦に持ち込むことが求められます。

「広域戦」は本来平野部で行われ、広大な土地の中で行われます。局地戦は逃げ場の少ない山間部などで行われ、人員の多さではなく、機敏に立ち回れるかどうかが問われます。

「広域戦」をビジネスシーンに当てはめると、都市部が平野部の扱いであり、「広域戦」では都市部でのシェア獲得競争を行うことになります。都市部で弱者が立ち向かうのは非常に難しく、強者のパワー勝負になっていきます。

強者が「広域戦」で戦う上で大事なことは、死角を無くしていくということです。死角が生まれると局地戦に持ち込まれる可能性があるためで、死角をつぶす必要があります。

そのためには、あらかじめ地域ごとで区分けして、その地域同士で戦わせるということが行われます。そうすることで、地域内のシェアが上がるだけでなく、死角がなくなり、情報も入ってくるようになります。

具体例でいえば、携帯電話会社の専門店が各地に点在しているのも同じことです。ほとんどは直営店ではなく、フランチャイズ店であり、空白地帯を埋めることでお客さんを囲い込もうとし、局地戦、この場合は代理店にお客さんが奪われないようにすることができます。

広い範囲で、しかもムラを作らないということが「広域戦」では求められます。

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