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李代桃僵(りだいとうきょう)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第十一計
「李代桃僵(りだいとうきょう)」
です。
「李代桃僵(りだいとうきょう)」とは
「李代桃僵」とは、
「損失を被ることが避けられない場合、不要な部分を犠牲にしつつ、全体の被害を少なく抑えて勝利する」計略のことで、昔、立派な桃の木の傍らに李(すもも)の木が立っていて、桃が受けるはずだった虫害を李が代わりに受けて倒れてしまったという故事にちなんでいます。
「李代桃僵」の話
中国の戦国時代、孫武(孫子)の子孫である孫臏が斉の将軍 田忌に仕えた時のこと、斉の王と田忌が競馬大会を開きました。斉王と田忌には、それぞれ実力が上・中・下の三頭の馬を持っていました。それぞれの馬の実力は伯仲していたため、孫臏は田忌に対し、斉王の「上」の馬には「下」の馬を当て、「中」の馬には「上」を「下」の馬には「中」を当てるように知恵を授け、二勝一敗で田忌の勝ちとなったそうです。
犠牲ありきの戦略は賛否が分かれますが、特に中小企業においては、全方面で大企業と戦っても勝つことは難しく、戦うべきところと捨てるべきところを作って「選択と集中」を実行することが必要です。
そういった意味では「李代桃僵」は、中小企業が大企業と戦うための知恵の一つと言えるでしょう。