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樹上に花を開す(じゅじょうにはなをさかす)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「樹上に花を開す(じゅじょうにはなをさかす)」
という中国の有名な兵法書「三十六計」が出典の故事成語です。
「樹上に花を開す(じゅじょうにはなをさかす)」とは
「樹上に花を開す(じゅじょうにはなをさかす)」とは、
「弱小であっても威勢があるように見せかけることで相手を威圧する」計略を指します。
「樹上に花を開す」は、中小企業にとって重要な考え方と言えます。
中小企業は大企業に比べて弱者です。企業戦略として有名な「ランチェスター戦略」の中に弱者の戦略というものがありますが、その戦略の一つが「一点集中」です。
「一点集中」とは、重点になるものを決め、そこに自分たちのリソースを集中させるという戦い方です。弱者の場合はヒト・モノ・カネといったリソースが限られていますので、全方面で戦いを挑んでは強者に太刀打ちはできなくなります。勝てる空間に限定し集中して勝つ、それが「一点集中」です。
【関連記事:一点集中〜弱者の五大戦略|ランチェスター戦略】
そして「一点集中」により一点突破を図り、それによって相手を威圧して、全体の戦局を有利に進める戦略こそ「樹上に花を開す」なのです。
狭いエリア、狭いマーケットであっても、自社のリソースを集中させてトップシェアを得ることは、その後の成長を大きく左右します。どういった条件であれば有利な戦いができるのかを冷静に判断して「一点集中」させることこそ、中小企業経営で最重要の課題だと言えるでしょう。