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樹上開花(じゅじょうかいか)〜 兵法三十六計
兵法三十六計とは、中国の三国時代以降に生まれた兵法書で、宋の名将 檀道済がまとめたと言われています。
そして「兵法三十六計」に書かれた故事や教訓は、単なる兵法ではなく処世術としても活用され、広く知られるようになっています。そういった意味では「兵法三十六計」を知ることで、現代の人たちにとっても人生の参考になるのではないでしょうか。
今回選んだのは、兵法三十六計の第二十九計
「樹上開花(じゅじょうかいか)」
です。
「樹上開花(じゅじょうかいか)」とは
「樹上開花(じゅじょうかいか)」とは、
「弱小であっても、威勢があるように見せかけることで相手を威圧する」計略を指します。
「樹上開花」は、中小企業にとって重要な考え方と言えます。
中小企業は大企業に比べて弱者です。企業戦略として有名な「ランチェスター戦略」の中に弱者の戦略というものがありますが、その戦略の一つが「一点集中」です。
「一点集中」とは、重点になるものを決め、そこに自分たちのリソースを集中させるという戦い方です。弱者の場合はヒト・モノ・カネといったリソースが限られていますので、全方面で戦いを挑んでは強者に太刀打ちはできなくなります。勝てる空間に限定し集中して勝つ、それが「一点集中」です。
そして「一点集中」により一点突破を図り、それによって相手を威圧して、全体の戦局を有利に進める戦略こそ「樹上開花」なのです。
狭いエリア、狭いマーケットであっても、自社のリソースを集中させてトップシェアを得ることは、その後の成長を大きく左右します。どういった条件であれば有利な戦いができるのかを冷静に判断して「一点集中」させることこそ、中小企業経営で最重要の課題だと言えるでしょう。