重回帰分析とは
重回帰分析とは、統計の1つの手法です。重回帰分析と比較されるものに、単回帰分析があります。
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重回帰分析では、単回帰分析では限界があった傾向をよりリアルにモデル化できます。まず一例として、収入と消費の関連性を重回帰分析の観点で見てみましょう。
消費において、食費と光熱費、交遊費などに分割できますが、例えば、収入が多いと、交遊費にかけられる割合が多くなることは漠然とわかっています。そして、収入と交遊費の関係性を分析する際、単回帰分析は収入と交遊費の2つの変数だけで分析しますが、重回帰分析では、収入以外のパラメータ、例えば居住地、家族構成、会社までの通勤時間など複数の変数を使って交遊費の支出額を分析することになります。
重回帰分析は、統計学の世界だけで使われるものと考えがちですが、ビジネス戦略を立てる上でも有効な分析手法と言えます。
例えば、自社の製品をどれだけの収入の顧客であれば購入してくれるか、複数のパラメータから算出できます。そして、重回帰分析により算出したデータをもとに、具体的に戦略を立てて販売することができます。通常なら、様々な販売戦略の仮設を立てて、試行錯誤しながら実際の営業に反映していきますが、重回帰分析のような統計を活用することで、より効果的な販売戦略の構築が可能です。
重回帰分析について理解することは、初心者の場合分かりにくいかもしれませんが、例えば、普段使用している表計算ソフトのエクセルにも、統計ツールが用意されています。また、統計のフリーソフトRもおすすめです。実際にソフトを動作させて、重回帰分析とはこんなものだと理解するのが良いでしょう。ちなみにRは、プロットコマンドが用意されていて、実際にパソコンの画面上に分散図を表示できますので、関連するパラメータを変化させて視覚的に妥当なモデルなのかを視覚的に把握できます。
今までは専門的な統計ソフトで、コンサルタント料などを支払って専門家に見てもらっていましたが、エクセルやRなどのソフトを利用することで自社のパソコンで統計処理が可能です。そういった意味では、重回帰分析は専門家の技術ではなく、一般人にも扱えるとても身近な存在になってきていると言えるでしょう。