故事成語

鼎の軽重を問う

鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)

という中国の古書「春秋左氏伝」が出典の故事成語です。

「鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)」とは

「鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)」とは、
「権力者や権威者を軽んじること、権力者や権威者の代わりに地位を奪おうとすること」のたとえとして使われます。

では、出典となった「春秋左氏伝」の一節を見てみましょう。

定王、王孫満をして楚子を労らわしむ。楚子、鼎の大小軽重を問う。

中略

桀に昏徳有りて、鼎は商に遷る。載祀六百。商紂暴虐にして、鼎は周に遷る。徳の休明ならば、小なりと雖も重きなり。其の姦回昏乱ならば、大なりと雖も軽きなり。

天の明徳に祚するや、底止する所有り。成王、鼎を郟鄏に定め、世を卜すること三十、年を卜するに七百。天の命ずる所なり。今、周の徳衰うと雖も、天命未だ改まらず。鼎の軽重、未だ問う可からざるなり、と。

とあり、現代文に訳すなら、

周の定王は王孫満を使者として楚王の労をねぎらわせました。楚王は周の神器である鼎の大きさや重さを尋ねました。

中略

王孫満が答えて言うには「夏の桀王に不徳があり、鼎は殷に移りました。殷の治世は六百年続いたが、紂王が暴虐であったため、鼎は周王朝に移ったのです。天子の徳があれば鼎は小さくても重く、その徳が乱れていれば鼎は大きくても軽いのです。天が徳を天子に与えても限度があり、成王が都に鼎を定めて周が何年続くか占ったところ、三十代で七百年という結果でした。今、周の徳が衰えているといっても天命がまだ改まらぬ以上は、鼎の軽重について問うてはなりません」

といった感じになります。

「鼎の軽重を問う」といえば、組織のトップを目指す際の心構えとして意味のある言葉だと思います。

上司を軽んじることなく、自分のやるべきことを粛々とこなす。そのことこそ、組織のトップへの最短の道につながるのではないでしょうか。

 

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