こども保険とは
こども保険とは、小泉進次郎議員と農林部会長ら自民党の若手議員による「2020年以降の経済財政構想小委員会」で提言されている、保育や幼児教育を無償化する案のことです。
教育無償化の財源としては、現社会保険料に上乗せする形で賄うとされています。また、これは党内から出ている教育国債の対案として出されています。
具体的な「こども保険」の仕組みとしては、社会保険料率を0.1%上乗せする事で約3400億円を確保できる試算で、未就学児1人に対し月額5000円を支給し、子育て世帯の負担軽減を目指しています。更に将来的には上乗せ分を0.5%までに引き上げることで財源を1兆7000億円確保し、未就学児への助成を月額25,000円に拡大して、保育や幼児教育を実質無償化する構想です。
こども保険の案は、政府がまとめる骨太の方針に反映させ、早期の実現を目指しています。
しかし、この案には賛否両論があり、将来世代からの借金となる国債発行を回避するメリットはありますが、小さな子供が居ない世帯にとっては、保険料の負担だけが増える事になり、負担だけが増える就学中の子供がいない世帯の理解を得るのが難しいとも言われています。
そんな声に対して小泉進次郎議員は、子供がいない人も将来社会保障の給付を受ける側になり、社会保障制度の持続性を担保するのは若い世代がどれだけいるか、若い人を支援すると言う事は子供がいる、いないに関係なく社会全体の持続可能性に繋がると説明しています。
自民党内では、先にも述べた様に教育国債案も浮上しており、骨太方針の中に教育無償化の財源確保を盛り込む方向で調整しています。教育無償化については、自民党内で財源確保をするための検討チームが活動しており、別途教育に限定した教育国債も賛否両論の意見が出ています。
こども保険の仕組みと教育国債を比較した時に、教育国債の方が最も現実的な手法との意見が現時点では多数となっており、幼児養育から大学までの無償化に未来からの投資をする考えで、年間5~10兆円規模を念頭におく意見も出ています。
これに対しては、新たな国債発行は財政負担を伴うため、財政健全化を目指している財務省から批判が出ています。近い将来、高齢化で医療や介護に対する費用が上がり、国民負担が大きくなることが予想されています。更に、新たな教育国債を作れば、教育への支出も増える一方で、借金も増える事になり、消費税も20%以上に上げないと難しいと言われています。
「こども保険」にせよ、教育国債にせよ、少子高齢化が進む中で、将来を担う子供に対し、国としての投資をしていくことは急務です。早期に取りまとめて実行に移してもらいたいと思います。