オムニチャネルとは?

マーケティング用語

オムニチャネルとは?

オムニチャネルとは

オムニチャネルとは小売業界、マーケティングの世界で用いられている用語です。英語でオムニとは、あらゆるとか、すべての、などという意味の接頭辞で、漢字でいえば「全」や「総」にあたります。一方でチャネルとは経路のことです。つまり、オムニチャネルとは直訳すれば「すべての経路」「総経路」といった意味になります。

一体何が全てなのか、そして経路とは何のことかといえば、マーケティング、小売り業界ですから、自社の商品が顧客の元に届けられるまでの経路、つまり流通経路のことです。では全てとはどういうことなのでしょうか。これは、少し時間をさかのぼって考えてみると分かりやすいでしょう。

昔は、自社の商品が最終的に顧客の元に届くまでの経路というのは、基本的に一つしかありませんでした。典型的な例を挙げれば、自社の工場で生産された商品は、全国各地の拠点となる倉庫にまず保管されます。そして、そこから各地の小売店に運ばれます。顧客は各小売店を訪れ、商品を手に取って見定め、購入するとなればそこで精算をして商品をそのまま自分で持ち帰るといったパターンです。

業界あるいは商品の種類によってはここに卸売り業者が入ったりすることも多いでしょうが、基本的にはこのような一本の経路しかなかったのです。「オムニチャネル」ではなく、一つを意味する接頭辞をつけていわば「モノチャネル」であったわけです。

ところが今では状況が一変しました。その最大の理由はインターネットの発達です。これにより、例えば顧客は実店舗に足を運ばなくてもネットショップで注文をするようにもなりました。店舗間でもネットを使って相互に在庫を確認するようなことも比較的容易にできるようになり、近くにある別の店舗から在庫を取り寄せるというような経路も可能になってきています。

このようにさまざまな経路を全て利用可能にするマーケティングの考え方、戦略がまさに「オムニチャネル」なのです。オムニチャネルとは、顧客は、自社が提供するあらゆる商品について、いつどこにいても内容の確認ができ、注文もできる、注文の方法についてもカード決済、電子マネー決済、代金引換などあらゆる方法を提供している、そして注文した商品は最寄りの店舗で直接受け取ることもできるし、自宅まで配送してもらうこともできる、というようなイメージになります。

つまり、オムニチャネルは、自社の商品を見て確認し、購入して最終的に手に取るまでに考えられる全ての経路を、顧客が自由に組み合わせることができるということなのです。