これでは、顧客拡大策としてグルーポンを利用したのに、クーポン客からのクレームが多発して、逆にお店の評判を落としてしまうことにもなりかねません。お店のクレームは、SNS等で拡散され、クーポン利用者以外の人へも悪評が伝わっていきます。
さらに、グルーポンを集客に使う企業は、グルーポンの収支はクーポン単体では赤字でも、来店した客に別の商品を購入してもらったり、リピーターになってもらうことでトータルとして利益が上がれば、と考えている場合が多いのですが、実際は皮算用のようにはなりません。
クーポンを使うお客様は基本的には、市価に比べて破格の値段だからその商品(のクーポン)を購入するわけですから、割引もない別の商品を購入したり、そのお店のファンになって次回から2倍以上の料金で買い続けてくれるわけではありません。
さらに商品には原価がありますから、クーポンの売上が原価割れになっていれば目も当てられません。クーポンを売ったら売っただけ収支は赤字で、利益が出るのはグルーポンだけということになってしまいます。
グルーポンを使って利益を上げ続けるには「業界水準よりも原価率が相当に低い」ことが必要なわけで、実際はそういった会社がほとんどないことが、グルーポンのリピートをなくしているということなのでしょう。そもそも、相当に低い原価率であれば、価格競争力も強いでしょうから、グルーポンに集客を頼るようなことになっていないでしょうが。