ストックビジネスとフロービジネス
ビジネスの分類方法にもいろいろな方法がありますが、そのうちの一つにストックビジネスとフロービジネスという区分で大きく2つに分類する方法があります。このうち、ストックビジネスとはどういうものか、またフロービジネスとの違いについて説明しましょう。
ストックとは、蓄える、蓄積するという意味の英単語です。一方で、フローとは流れる、流動的なという意味の英単語になります。これだけ聞いても両者のビジネスでの違いはピンとこないかもしれませんが、ごく簡単にいうと、ストックビジネスとは顧客を蓄える、つまり会員になってもらったり契約を結ぶことにより、継続的にサービスを提供するようなタイプのビジネスを指します。
フロービジネスとの違いで言いますと、フロービジネスでは顧客との関係は原則的にはその場限りであり、サービスや商品を顧客に提供するその都度売上げが発生するということになります。
ここまで説明してもまだピンと来にくいかもしれませんから、具体例を挙げてみましょう。
ストックビジネスとは、会員になることや契約により継続的にサービスを提供することなのですから、例えば月極の駐車場サービスはストックビジネスです。顧客は1回の駐車ごとに料金を支払うわけではありません。月極めなのですから、予め契約を結び、毎月定期的に料金を支払うことにより、その区画には好きなときに好きなだけ駐車して良くなるわけです。一方、コインパーキングはビジネスとしてみれば、顧客との関係は利用する都度で、フロービジネスと言えます。
ビジネスの中には会員制度を設けているところが多いですが、会員制度があれば全てがストックビジネスになるわけではありません。単なるポイント会員制度などは、別に会員になることにより継続的にサービスや商品を提供すると決まっているわけではなく、それを買うかどうかはあくまでも顧客側がその都度判断するわけですから、ストックビジネスではありません。
例えば、ポイント会員制度を設けているスーパーやコンビニはフロービジネスになりますが、一方で、同じ会員制度でも、例えば通信販売の定期購入会員などは立派なストックビジネスということができます。
もちろん、ストックビジネスとフロービジネスの分類方法はあくまでも一つの方法に過ぎませんし、どちらがより良いとか、どちらが劣っているというようなものではありません。
また、ストックビジネスは顧客の囲い込みに特徴があり、囲い込みが重要ではありますが、だからといってフロービジネスでは顧客の囲い込みは重要でないとか全く不要だなどということもありません。