スマートフォンの普及がGoogle,Yahoo!の成長を止める

スマートフォン,スマホ,モバイルフレンドリー 雑感コラム

スマートフォンの普及がGoogle,Yahoo!の成長を止める先日、Googleはディスプレイ広告の「CPM(表示1000回あたりの単価)」の入札を表示された広告が実際に視認可能であった回数または割合が保証(ビューアビリティ)されたviewable CPMに移行すると発表しました。

ディスプレイ広告とは、簡単に言えばバナー広告のことです。

ウェブ広告に興味のない方にとっては何を意味しているのかわかりにくいかもしれませんが、「広告が通常視認されたと見なされる表示割合や表示時間を Google が保証する代わりに広告主はより高い広告費を払う」ということです。

バナー広告自体は昔からありますが、広告を表示する面積が広く、ネット閲覧者の視野も広いPC利用が主だった時代であれば“視認可能”といった概念はあまりありませんでした。むしろPCが高解像度化することで広告の表示領域が広がってきていたのです。しかし、スマートフォンが普及しモバイル経由での検索が過半を占めるようになってきた現状では、モバイル端末の狭い画面で広告を認知する程度に表示させること自体が付加価値となってきたということなのでしょう。

しかし、ここで重要なのは、こういう“視認可能”というようなレベルで付加価値を謳い、より高単価な広告へ誘導しようとする Google,Yahoo!などの検索エンジン運営会社のスマートフォン時代における閉塞感のように思います。高単価にするという価格戦略は全体需要が増えていない時にチャレンジされがちなものです。スマートフォン時代において、クリックされても特定の業種を除き、集客にはつながらず、ディスプレイ広告(バナー広告)に活路を見出そうとしてもさらに思ったほどの集客効果が上がらない。集客効果が上がらないことは広告主が継続して利用してくれないということですから、スマートフォンの普及によってGoogle,Yahoo!などの検索エンジン運営会社が頭打ちになっていっている様子が見てとれる、そんな気がするのです。

幅広い業種×広い広告エリアだったPC全盛期から、今や一部の業種×狭い広告エリアのスマートフォン時代へ写っていく中で、単なるバナー広告でなく、記事やニュースの合間に差し込まれる“記事っぽく見える広告”であるネイティブ広告のように、手を変え品を変えて試行錯誤していますが、根本的な解決になっていないようです。

一方、狭い画面の中で無理やり広告を出すことはスマートフォンユーザーからすると歓迎されづらく、実際、iPhoneでは iOS 9 から“広告をブロックできる”コンテンツブロッカーという機能が出てきています。

急速に進むネット利用のPCからスマートフォンへの変化の中で成長が止まりつつある(ひょっとしたら実質マイナス成長している) Google や Yahoo! などの検索エンジン運営会社が今後どんな知恵を出していくのか興味深いところです。