このところ「パナマ文書」というキーワードがニュースを賑わせるようになってきました。
「パナマ文書」については、租税回避地(タックスヘイブン)の一つパナマにあるオフショア法律事務所から漏れた膨大な機密文書(パナマ文書)が分析され、著名な政治家・実業家・スポーツ選手などの名前つきで資産隠しの実態が公開されたことから世界を揺るがす事件として取り上げられています。
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パナマにおけるオフショアを使った人達の実名入りでお金の流れの情報が外部に漏れた点で、相当インパクトがあり、早速、このパナマ文書で資産隠しが表面化したアイスランドの首相が辞任するという事態になっています。その他にもロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席、イギリスのキャメロン首相、ヨーロッパの主要銀行、はたまたFIFAの新会長も「パナマ文書」疑惑に関与していたりと、まさに世界版の強力な「週刊文春」といった感じです。
さらに、パナマ文書が怖いのは、データベースがネット上で公開されていること。
ご丁寧に国別で個人名、法人名、住所などが全世界に公開されていて、誰でも閲覧ができます。海外の有名人や著名な企業だけでなく、日本企業も、パナマでオフショアを利用したと思われる一般の日本人の個人名もパナマ文書のリストに載っています。
試しに、データベースからパナマ文書に載っている日本企業名を抜き出してみると、
- 株式会社 アトラス
- バンダイネットワークス株式会社
- 株式会社 コーポレイト ディレクション(CDI)
- 株式会社 電通
- 大日本印刷 株式会社
- 大宗建設 株式会社
- 大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ株式会社
- 株式会社 ドリームインキュベータ(DI)
- 株式会社 ドリテック
- 株式会社 ドワンゴ
- 株式会社 ファーストリテイリング
- 株式会社 ジー・モード
- 株式会社 長谷川
- 株式会社 ジャフコ
- 株式会社 日本インフォメーションシステム
- 石油資源開発 株式会社(JAPEX)
- 伊藤忠丸紅鉄鋼 株式会社
- 株式会社 商船三井
- 三菱商事 株式会社
- 日本製紙 株式会社
- 株式会社 ノースイ
- サトウテック 株式会社
- 株式会社 サン・アロー
- アーツ証券 株式会社
- 東京海上ホールディングス 株式会社
- トレンディ インフォメーション 株式会社
- ユミックス 株式会社
- 株式会社 やずや
- 日本郵船 株式会社
- 丸紅 株式会社
のような感じです。
もちろん「パナマ文書に載っている=タックスヘイブンを使った脱税をしている」わけでなく、「タックスヘイブンを活用する=脱法行為」でもないことに注意すべきですが、上記のパナマ文書リストに名前が出ている企業でお金の流れに疑義があるような場合は大きな問題になる可能性はあります。
上記のリストを見て分かる通り、名前の出てくる企業のほとんどは大企業ですが、中小企業もいくつか混ざっています。御社でも自社と取引のある会社がこのリストの中にあるのかどうかは一度チェックしておいた方が良いかもしれません。
大半の中小企業にとってパナマ文書は、まだ対岸の火事かもしれませんが、世界の政治・経済を大きく左右する可能性があります。
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今後もパナマ文書の動向について注視してみてはいかがでしょうか?