「パナマ文書」とは、簡単に言うと、タックスヘイブン(租税回避)であるパナマにペーパーカンパニーを作って節税をしていた顧客リストやその節税手法、金額などが、大規模に流出したものです。
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流出した顧客リストの中には政治家・スポーツ選手・芸能人など著名人も多く含まれていました。
例えば、パナマ文書には、
- マウリシオ・マクリ大統領(アルゼンチン)
- ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領(アラブ首長国連邦)
- サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王(サウジアラビア国王)
- グンラウグソン首相(アイスランド)
- ポロシェンコ大統領(ウクライナ)
- アッラーウィー暫定政府首相(イラク)
といった現職の首脳(グンラウグソン首相は辞任を表明)や
- プーチン大統領(ロシア)
- 習近平総書記(中国)
- キャメロン首相(英国)
- ナジブ・ラザク首相(マレーシア)
- ナワーズ・シャリーフ首相(パキスタン)
- エンリケ・ペーニャ・ニエト大統領(メキシコ)
といった現職の首脳の関係者、
- 香港上海銀行
- デクシア
- クレディ・スイス
- UBS
- ノルデア銀行
などの大手金融機関などが名を連ねています。
「パナマ文書」では、現職の首脳の資産隠しや大手金融機関によるペーパーカンパニー設立への助力などが疑われていますが、特に金融機関がマネーロンダリングに関与した証拠が出てくると相当事態は大きくなります。そうなると、ヨーロッパの大手銀行がリストアップされている関係でヨーロッパを中心に大きな影響が出ると考えられています。その為、パナマ文書が大きく取り上げられるようになって以降、相対的に安全な通貨として円が買われており、急激な円高が進んでいる状況です。
円高が進めば、株価が下落しますが、さらに中国やヨーロッパの政情や経済が不安定になる可能性があります。そうなれば国内の景気にも影響が出てきますので、中小企業としても「パナマ文書」の今後の動向に注視が必要です。