フィリバスターとは?

その他の用語

フィリバスターとは?フィリバスターとは議事の進行を妨害する行為のことで、明確な遅延の意図をもって行われます。イギリスやアメリカといった諸国だけではなく、日本でも野党が与党に向けて行うことが多く、いくつかの代表的な手法が挙げられます。

日本でのフィリバスターの代表例としては、野党から与党への質問攻め、審議中断、審議拒否に加え、牛タン戦術と通称されるものなどがあり、いずれも議会のシステムを利用したものです。

アメリカにおけるフィリバスターは主に長時間演説を行うことにより、議会の遅延を狙うことが多く、これは一人の議員の演説時間が制限されないアメリカにおいて有効な妨害手段として知られています。しかし議会の進行が妨げられることにより、その議案だけではなく他の議案やスケジュールも影響を受けることや、議会自体が正常に機能しなくなることから、フィリバスターの発生とその対策の歴史がないアメリカの議会では、妨害のための長時間演説を制限する制度の導入に至りました。

日本でも野党から与党へのフィリバスターは実施されており、質問攻めをしてる様子などは国会のテレビ中継などでも見かけることができるでしょう。質問攻めは同じ質問や似た質問を何度も繰り返し行い、質問と回答によって時間稼ぎをするもので、遅延のための意図を持つ質問と区別がつきにくいことからも、野党によっては起用しやすい手法であるといえるものです。

しかし一方で同じ質問に与党が何度も答えるとは限らないのが現状で、議事を引き延ばすには限界があります。また、日本における長時間演説での議事引き延ばしは“牛タン戦術”と呼ばれていますが、アメリカの議会とは異なり、日本では議員一人あたりの演説時間があらかじめ決められているため、フィリバスターの有効な手段とはなりにくくなっています。

日本の議会では、議長は演説時間の超過に対して演説を制止する権利を持ちます。演説者の強制排除も行うことができますが、強制排除されたことを理由として議長や内閣に対する不信任決議案を提出する場合もあり、これもフィリバスターの手法のひとつとされています。

フィリバスターは主に野党から与党へ行われるものではありますが、まれに与党が行う場合もあり、この場合は与党側が説明や質問への回答を長引かせることによって時間経過を狙うことになります。質問時間を消費することで質問を受け付ける回数を結果的に減らし、すべての質問を受けないまま質問者の持ち時間が終了することが目的です。