弱者の戦略〜ランチェスター戦略
経営戦略や事業戦略を策定する場合には、自社の立場や強み弱みを認識した上で価値ある手立てで行うのが、競争優位性をもたらすとして、多くの人が学んできたのがランチェスター戦略ということになります。
中小企業のような弱者が、一流企業や巨大企業、業界のトップ企業のような強者を相手にビジネス競争を挑もうとすると、商品ラインアップ、商品数、店舗の大きさや数、従業員の質や量、知名度、信用度、投入できる費用などなど、強者には競争に有利なことが多く、まともな勝負はできません。
企業戦略で何らかの工夫をしないと勝てないということから、ランチェスターの弱者の戦略が注目されてきました。今回は、ランチェスター戦略として弱者が取るべき戦略について見てみましょう。
ランチェスターの弱者の戦略の基本は、差別化であり、競争優位な点に着目し実行するところにあるとされています。
具体的には、たとえば「局地戦」で戦うということになります。全方位での戦いでは強者に勝てませんから、すき間やニッチなマーケットを狙うということになります。いわばトップ企業が手を出しにくいマーケットです。
弱者がトップ企業などの強者と戦うときは、全面戦争というように舞台を広げないで、一騎打ち、つまり特定の個別商品とか、特定エリアという具合に経営資源を限定的に集中させます。
そしてさらに、「接近戦」を挑みます。トップ企業などの強者に先んじて、お客様ニーズの深掘りや潜在的なニーズを探り出すというような、密着戦略を展開し、ビジネス成功率を高め、事業戦略の確実性を高めていきます。
このように、できるだけ自社が持っている特徴や強みを生かした重点目標を絞り込んで、トップ企業や強者の弱点となるところにスポットを充てることを意図します。
そして、「陽動作戦」と言ってもいいのですが、強者にとって予測不可能となるよう過去のやり方や従来のパターンから脱却したやり方に徹します。
例えば、販売促進活動も、商品テストや市場リサーチを従来の方法だけでなく、言葉は悪いのですが、トップ企業や強者を出し抜くようなものにしてみると良いでしょう。
トップ企業などの強者における「機動力に劣る」「意思決定や実行までに時間が掛かる」という大きな弱点を意識し、弱者は小回りを利かせ、臨機応変な対応をすること、初期の行動で一気に勝負をつけるというような姿勢も肝要になります。
弱者だから強者に勝てないわけではありません。ランチェスター戦略の「弱者の戦略」を活用して、強者に立ち向かっていきましょう。
ランチェスターの戦略から勝ち方を学ぼう・・・
次は「ランチェスター戦略 一覧」を見てみる