ランチェスターの第二法則
ランチェスターの法則には、第一法則と第二法則が存在します。
ランチェスターの第一法則では古くから行われてきた戦闘、いわゆる両軍が衝突する1対1の戦いになった際に使える法則であると言われており、「弱者の法則」とも称されています。
簡単に言えば、武器の質と兵員数をかけたものが戦闘力となり、武器の質が同じであれば兵員数が多い方が勝つというものです。第一法則は、局地戦で戦力を集中することで弱者が強者を倒すことも可能ということを示唆しており、中小企業が大企業にどう立ち向かえばいいかを考える際に応用することができます。
一方のランチェスターの第二法則ですが、「強者の法則」とも呼ばれます。別名「集中効果の法則」とも言われており、1人で複数の相手と対峙するような場合に使われ、空の戦いなど近代的な戦いで使われる戦闘モデルです。
ランチェスターの第二法則では、部隊の戦闘力は「武器の性能」と「兵員数の二乗」に比例します。
例えば、同じ武器の質で異なる人数の軍が戦った場合、仮に味方が10人で相手が6人だったすると、部隊の戦闘力は、10人の二乗から6人の二乗を引いて、味方が64多くなります。64は8の二乗なので、つまり、相手が全滅した状態で味方は8人が生き残るということになります。
このランチェスターの第二法則は、大企業がどのようにしてシェアを獲得するかという時にも活用されています。ランチェスターの第二法則を経営戦略に置き換えた場合、質さえ同じレベルにもっていけば、数の力で押し切ることができるということになります。
問題はその質をいかに上げていくかですが、大企業であれば豊富な資金力を活かし、ヘッドハンティングなどで優秀な人材を引き抜き、あるいは高いノウハウを持つ中小企業の買収などによって組織の質を上げ、その部分に人員を集中させていきます。
一時期、日本企業からアジア諸国に技術者が引き抜かれ、その技術者たちがノウハウを教え、外国資本が徹底して資金を注入し、日本製品からシェアを奪うという事例が相次ぎましたが、まさに「ランチェスターの第二法則」そのものの戦略が行われたことになります。
第一法則を選ぶか、それとも第二法則を選ぶかは、どういった状況で戦うかによります。中小企業のように特定分野でなんとか勝ちたいという場合には質を高める局地戦で勝利をあげる「第一法則」で戦うことになりますし、大企業がマーケットを制する際には「ランチェスターの第二法則」を活用し、資金力や会社規模で押し切るなど、その企業の目指すところで選ぶ法則も変わってきます。
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