リコースローンとは
リコースローン(recourse loan)とは「遡及型融資」のことであり、ノンリコースローン(nonrecourse loan)つまり「非遡及型融資」の対義にあたるものです。
例えば、新規にマイホームを取得する場合、住宅ローンを組むのが通例です。ところが住宅ローンが払えなくなると、住宅を売却するなどして金融機関に返済し、借金が残った場合はそれを支払っていく義務が発生します。このように住宅を取られてもなお残金を支払う義務が発生する形式がリーコースローン(訴求型融資)です。
日本ではこの「リーコースローン」が普通ですが、アメリカなど海外ではむしろ「ノンリコースローン」が普通なのです。ノンリコースローンの場合は、住宅ローンが払えなくなったら担保となっている住宅を手放すだけで、それ以上のものを遡及される事はありません。このようにノンリコースローンとは返済責任を担保財産の範囲に限定した貸付方法なのです。
ノンリコースローンで重要視されるのは、債務者個人の信用情報や返済能力ではなく、担保物件の価値そのものになります。このため保証人を必要とすることもなく、信用情報も問題になりません。
日本の住宅ローンはこれまでリコースローンが当たり前でしたが、東日本大震災の影響で、自宅が住めなくなったのにも関わらず住宅ローンが残っていて支払い続けなくてはならないという状況に置かれている人が多数発生したことから、にわかにノンリコースローンという考え方が注目を集めるようになりました。
しかしノンリコースローンは良い面ばかりではありません。物件価値そのものが問題になるため、貸す側の金融機関は物件の価値を正しく判断する能力が求められるため慎重になるでしょう。リスクが大きい事から金利が高く設定される(プレミアム金利/上乗せ金利)のも注意点です。
物件そのものの価値が問われるため安価でお手軽な物件はそもそもその対象とはならない事も考えられ、これが普及すると庶民がマイホームを持つことが難しくなるという懸念もあります。