レピュテーションとは「評判」「風評」を意味する言葉です。
消費者が同じ商品やサービスの中から一つを選ぶ時、実際に使用できるものであれば試せますが、すべての場合でそういうわけにはいきません。そうなると評判が良いものを選ぶことになります。このような選択はいたるところで行われおり、よいレピュテーションがある企業は、顧客がつきやすく経営は安定し、従業員の離職率も低くなります。そしてやがて企業のブランド力を高めていくことになります。
このように、企業にとって、レピュテーションをいかに高めていくことができるかが課題となっているわけです。
一方で、IT技術が普及した現代、より深刻になっているのがレピュテーションリスクです。
レピュテーションリスクでの「レピュテーション」は評判ではなく風評という意味で使われており、例えば、従業員やアルバイトに長時間労働をさせて過労死事件を起こすなど「ブラック企業」というレッテルを貼られてしまうと、それが瞬く間に広まり、企業イメージが著しく落ち込むといったことを指します。
風評は、些細な事でも、ネットの掲示板やSNSを通じて拡散され、それがテレビや雑誌などのメディアに取り上げられると、もはや対処できないほどに「炎上」してしまいます。
悪い風評はそれまで何年も、何十年も築きあげてきた信用を一瞬で破壊して、元のようになるまでには何年も必要です。また前述の「ブラック企業」というレッテルを貼られた企業は、労働環境を改善しようと人手を増やしたり、労働時間を短縮しようとするのですが、新規採用に応募する人材が出てこないので、さらに状況が悪化してしまうこともあります。そのようなことが続けば体力のない零細企業であれば、倒産の可能性も否定できません。
風評には、従業員や企業風土に問題がある場合と、原発事故のように予測できず企業努力で何とかなる問題ではない場合があります。後者に対しては、事前に対応することは難しいですが、前者に対しては従業員のネットリテラシー教育などの研修を行ったり、不正が発覚したときに隠蔽すること無くオープンにする姿勢で誠実さを見せたりすることでブランドイメージを守ることが可能です。
これは企業が自社だけで対策をするよりも、専門のコンサルティング会社にまかせて、レピュテーションの管理に必要なことをやっていくほうが良いでしょう。そうすれば万が一レピュテーションリスクが発生したときにも、何をするべきかというアドバイスを受けることが出来ます。
企業経営をしていると、望むと望まざるとにかかわらず、レピュテーションリスクを常に抱えています。に対して、レピュテーションへの対策をしておくことで、ブランドへのダメージは最小限に抑えることができるでしょう。