このように、えてして「ローパー社員」を他の社員の迷惑となる前にいかに切り捨てるか、ということになりがちですが、現実は、労働基準法により解雇基準はハードルが相当高く、降格や降給、配転なども労働組合との事前協議が必要で、王子ホールディングスの子会社での退職勧奨のように強硬手段に出てしまうと大きな労使トラブル になりかねません。
会社を運営していく中で「仕事ができる社員」ばかりなら良いのでしょうが、実際は様々な社員がいるはずです。会社経営にとって都合の良い人材ばかりを望むことは、ある意味「ないものねだり」でしかありません。
会社経営とは、手元にある経営資源をどう有効活用するかという側面もありますので、「ローパー社員」も社員の個性と理解したうえで、そんな人でも達成できる目標を用意し、長い目で育てていき、適材適所に配置することが経営者の役割なのではないでしょうか。
様々な意見が混在し、どのように解決していけばいいかの道筋も曖昧な「ローパー社員」ですが、他の社員のためと切り捨てるのも、うまく活用していけるのも、その企業の経営手腕次第なのでしょう。個人的には、これからの人材不足の時代、社員の個性を活かして活用のできない(社員を大切にできない)会社には都合よく「良い人材」だけが集まるはずはないと思うのですが、皆さんはどう思われますか?