一騎当千(いっきとうせん)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
一騎当千(いっきとうせん)
という有名な古書「太平記」が出典の故事成語です。
「一騎当千(いっきとうせん)」とは
「一騎当千(いっきとうせん)」とは、
一人の騎兵で千人の敵を相手にできる意味から「並はずれて強い」ことを表す言葉です。
では、出典となった「太平記」の一節を見てみましょう。
御前に立て、敵の大勢にて責上りける。
坂中の邊まで下向ふ。
其勢僅三十二人、是皆一騎当千の兵とはいへども、敵五百余騎に打合て、可戰様は無りけり。
坂中の邊まで下向ふ。
其勢僅三十二人、是皆一騎当千の兵とはいへども、敵五百余騎に打合て、可戰様は無りけり。
とあり、現代文に訳すなら、
一同は護良親王の前に立ち並び、坂の中ほどまで下り、攻め上がってくる大勢の敵を迎え撃とうとした。その人数わずか32人、みな一騎当千のツワモノぞろいとはいえ、敵は500余騎、これではまともに戦いようもない。
といった感じになります。
ちなみに絶体絶命の危機に陥った護良親王一行ですが、この後、野長瀬兄弟の奇跡的な加勢を受け、危機を脱することになります。