九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)

故事成語 故事成語・ことわざ

九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)

九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)

という中国の古書「漢書」が出典の故事成語です。

「九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)」とは

「九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう)」とは、
多数の中の極めて少ない部分。または、比較にならないほどつまらないこと」を指します。

ちなみに出典となった「漢書」の一節を見てみると、

假令僕の法に伏し誅を受くるも、九牛の一毛を亡なふが若し、螻螘となんぞ異なる。而して、世も又能く節に死せる者と比さず。

となりますが、現代文に訳すなら、

たとえ私が法に従って殺されたとしても、多くの牛の毛の中からたった一本の毛を失ったようなもので、虫けらのようなものです。世間も節を守って死んだ人と比べもしないでしょう。

といった感じになります。ちなみにこの一節は、前漢時代に匈奴と戦って投降した悲運の将軍 李陵について弁護した司馬遷が武帝の怒りを買った時に友人に書いた手紙の一文です。

この手紙の後、司馬遷は宮刑に処せられ、その屈辱に耐えながらも有名な歴史書「史記」を完成させることになります。

 

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