健康経営銘柄とは
健康経営銘柄とは、従業員等の健康管理を経営的視点から考えて、戦略的に取り組んでいる企業のことを指して言います。
平成26年度から経済産業省と東京証券取引所が国民の健康寿命を伸ばすことを目的として、毎年選定されます。
健康経営銘柄に選定された企業は、選定年が記載されたロゴマークを使用することが認められます。健康経営銘柄のロゴマークのある企業は経営状態が良く、従業員の健康管理に力を入れている企業であることを示すものと言えるでしょう。
健康経営銘柄の選定によって、経営者が従業員への健康投資を積極的に行おうとします。従業員は健康増進と活力が向上することで、生産性の向上や人材の流出を抑える効果が期待できます。また、健康投資が増加すれば、ヘルスケア産業が活性化するので、ヘルスケアのサービスの技術が進歩します。その結果、国民がヘルスケアのサービスを受けやすくなり、生活の質が向上することが期待できます。
健康経営銘柄の選定方法
健康経営銘柄の選定方法は、経済産業省が健康経営度調査(従業員の健康に関する取り組みについての調査)を企業に配布します。回答のあった企業を外部有識者委員会が策定した評価基準に基づいて評価します。
評価項目は大きく分けて5項目あります。
必ず達成しなければならないのは法令順守・リスクマネジメントです。法令を守らなければ従業員の健康を害する可能性が高くなります。リスクマネジメントをしっかり行わなければ、倒産リスクが高くなります。
あとの4項目は「評価・改善」「制度・施策実行」「組織体制」「経営理念・方針」です。
健康経営銘柄の選定に際しては、経営者が従業員への健康投資を積極的に行うことを重視するので、中でも「制度・施策実行」と「経営理念・方針」は大きなウェイトを占めます。
ちなみに、健康経営銘柄のロゴマークには暖色系の色で5本の線が描かれていますが、この線は評価項目の5項目を意味します。
5項目の評価項目を審査し、評価結果が上位20%の東京証券取引所上場会社から選出します。その中から、直近3年間のROE(自己資本利益率)が平均で8%以上、または業種中央値以上であり、評価結果が業種内で最も高順位の企業が選定されます。
健康経営銘柄の選定は経営者が従業員の健康管理に力をいれるだけでなく、経営状態も良くなければいけません。また、健康経営銘柄に選定された企業の活動については、経済産業省のホームぺージで閲覧することができるので、健康投資を積極的に行おうとしている企業には参考になるでしょう。