兵は多きを益とするに非ざるなり|孫子の兵法

孫子の兵法 孫子の兵法

兵は多きを益とするに非ざるなり|孫子の兵法

兵は多きを益とするに非ざるなり

「孫子」は、二千数百年前の弱肉強食の時代に生きた孫武が書いた兵法書です。

その中から、今回は孫子にある「兵は多きを益とするに非ざるなり」という言葉を見てみることにしましょう。

兵は多きを益とするに非ざるなり。
惟武進する無かれ。
以て力を併せ敵を料るに足りて、人を取るのみ。

が「兵は多きを益とするに非ざるなり」のくだりですが、現代語訳にすると、

兵の数が多ければよいというものではない。猛進することを避け、戦力を集中し、敵情の把握に努めてこそ、勝利を収めることができるのである。

という意味になります。

数年前から中小企業での人手不足が顕著になってきました。少子高齢化が進む中で、20代〜40代の人材を中心に大企業に流れている状況で、知名度や安定感に乏しい中小企業は恒常的に人手不足に直面しています。

今後はまだまだ状況は悪化していくと思われますので、従来のように人手を増やすことで事業規模を拡大する経営手法が簡単には通用しなくなっていくでしょう。

今後の新興企業は、企業としての成長性を打ち出したり、ニッチな市場での知名度を高めるなど、大企業に負けないバリューにより人材を確保したり、インターネット集客の活用や業務の外注など人手に頼らない経営を目指していく必要があります。

幸いにもインターネットやAI(人工知能)などの科学技術の発達によって、人手に頼らない経営も可能になってきました。スモールビジネスという言葉がありますが、人を雇うことによる雇用リスクが顕在化してきている中、「兵は多きを益とするに非ざるなり」と考え、経営者自身も技術やノウハウを持ち、少人数(場合によっては一人)で事業を運営していくべきなのかもしれません。

孫子の兵法から勝ち方を学ぼう・・・

次は「孫子の兵法 一覧」を見てみる