匹夫の勇(ひっぷのゆう)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
匹夫の勇(ひっぷのゆう)
という中国の有名な古書「孟子」が出典の故事成語です。
「匹夫の勇(ひっぷのゆう)」とは
「匹夫の勇(ひっぷのゆう)」とは、
「深く考えず、ただ血気にはやるだけのつまらない勇気」のことです。
では、出典となった「孟子」の一節を見てみましょう。
対えて曰わく、王、請う小勇を好むこと無かれ。夫れ剣を撫し疾視して曰わく、彼悪くんぞ敢えて我に当たらんや、と。此れ匹夫の勇、一人に敵する者なり
とあり、現代文に訳すなら、
王よ、どうか小さな勇気を好まないでください。例えば、剣を握って相手をにらみつけ『かなうものならかかってこい』と言う。これは血気にはやるだけのつまらない勇気で、一人を相手にするだけのものに過ぎません。
といった感じになります。
今の世の中でも勇気が必要となる局面はありますが、「匹夫の勇」を誇るのではなく、大きな勇気を持ちたいものです。