君子の三楽(くんしのさんらく)

故事成語 故事成語・ことわざ

君子の三楽(くんしのさんらく)

君子の三楽(くんしのさんらく)

古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。

その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。

今回選んだのは、

君子の三楽(くんしのさんらく)

という中国の古書「孟子」が出典の故事成語です。

「君子の三楽(くんしのさんらく)」とは

「君子の三楽(くんしのさんらく)」とは、
孟子の言った「君子が持つ三つの楽しみのことで、父母兄弟が無事なこと、天や人に恥じないこと、天下の英才を教育すること」を指します。

ちなみに出典となった「孟子」の一節を見てみましょう。

孟子曰く「君子に三楽有り。父母倶に存し、兄弟故なきは一の楽しみなり。仰いで天に愧じず、俯して人にはじざるは二の楽しみなり。天下の英才を得て、之を教育するは、三の楽しみなり。君子に三楽あり。而して天下に王たるは与り存せず」と。

とあり、現代文に訳すなら、

孟子が言うには「君子には三つの楽しみがある。父母がともに健在で、兄弟に事故がないのは、第一の楽しみである。天を見上げて心にやましく思うことがなく、下を見て人に恥じることがないのは、第二の楽しみである。天下の優れた人物を弟子にして教育するのは、第三の楽しみである。このように君子には三つの楽しみがあるが、天下の王となることはその中に含まれない。」

といった感じになります。

「君子の三楽」のように人として当たり前のことに喜びを感じ、後進を育てることに価値を見出すことは、なかなかできることではありませんが、理想の生き方として少しでも近づけるようになりたいものです。

 

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