地面師とは
地面師とは、他者の不動産を自分の物であるというふりをして、抵当に入れたり第三者に売ったりするなどしてお金を騙し取る人々のことを指します。
地面師から受けた被害は詐欺事例と言えます。
地面師は他者の土地を自分もしくは自分の関係者などの名義に勝手に変更してしまい、そのことを知らない第三者に対して正規の金額で売却するなどしてお金を手に入れるのです。場合によっては、名義変更をしないまま、本当の所有者になりすまして売ってしまうこともあります。一度、地面師名義に変更してしまえば、その不動産を売却してしまうのは比較的容易ですので、地面師の手口としては、本当の所有者の名義を地面師たちの名義に変更するパターンが多いでしょう。
地面師の手口
本当の所有者から地面師たちの名義に変更するためには、書類が必要になります。必要になるのは、権利証と本当の所有者の実印及び印鑑証明書と地面師たちの住民票です。地面師たちの住民票は彼ら自身のものなので容易に入手ができますから、あとは権利証と本当の所有者の実印及び印鑑証明書の用意が必要となります。
権利証については、盗み出してしまえばそれで完了です。さらに、最近ではコピー技術が発達したことによって、精巧に偽造されたものも出てきています。権利証は印鑑証明書のような透かしによる偽造防止技術がなされていることはありませんから、見るからに明らかなものでない限りは偽造を見抜くことはほぼ不可能でしょう。不動産登記のプロである司法書士であっても、地面師によって盗み出されたものかどうかは書面を見ただけでは分かりません。また、権利証がない場合でも、事前通知や本人確認情報といった代替手段によって登記が通ることもあります。
続いて、実印と印鑑証明書ですが、これらは権利証のような代替手段がありません。ですから、本当の所有者が保管している実印と、役所から発行される印鑑証明書が必要になります。過去に行われた取引きなどによって印鑑証明書を所持していれば実印自体の偽造は可能です。しかし、印鑑証明書には3か月という有効期限があるため、地面師が最新の印鑑証明書を手に入れることができるかどうかがポイントになってきます。
地面師被害を避ける方法
地面師により全ての書類を完璧に偽造されてしまったらもうどうにもなりませんが、基本的に地面師被害のほとんどは、権利証や印鑑証明書などを紛失したり盗まれたりするケースです。権利証や印鑑証明書などを紛失したり盗まれないよう用心するのと合わせて、知らないうちに不動産名義が変わっているということはないかを時折チェックしてみることが地面師被害を避けることにつながるでしょう。