売上債権回転率とは
企業にとって売上は重要ですが、売上が回収できない間は原材料や設備などに投資できないため、回収までの期間を知ることは重要です。回収されてない売上を「売上債権」と呼び、売上債権がどのくらいの期間で現金化されているのかチェックする指標が「売上債権回転率」です。
売上債権回転率とは、一般的に「売上高」を「売上債権」で割って計算します。このとき使う「売上高」は原価を引く前の単純な会社の売上額を使用し、「売上債権」は貸借対照表の受取手形と売掛金を使用します。
売上債権回転率が大きければ、売上高に占める売掛金債権の割合が小さいことになり、現金化までの期間が短いことを表します。逆に、売上債権回転率が小さく債権の割合が大きければ期間が長いことを意味します。
例えば、売上高 1200 で、売上債権が 120 の場合と 60 の場合で比較してみましょう。売上債権が 120 の場合は、売上債権回転率は 1200÷120=10 になります。一方、売上債権 が60 の場合は 1200÷60=20 になります。売上債権回転率は数値が大きいほど現金化される期間が短いので、売上債権が 60 のほうが良い数値と言えます。
売上債権回転率の理想的な数値は6以上とされますので、売上高に占める売上債権の割合が 16%以下であると良いでしょう。
また、売上債権がどのくらいの期間で現金化されているか具体的な日数が知りたければ、「売上債権」を「月平均売上高」で割れば判明します。年間の売上高が 1200 の場合であれば、月平均売上高は 100 となりますから、売上債権が 120 ならば 120÷100 で 1.2カ月で、売上債権が 60 ならば 60÷100 で 0.6カ月で債権は回収できていることが分かります。
このように「売上債権回転率」を把握することで、将来の設備投資計画や原材料の仕入れなど原価の予定を立てることができ、経営を健全化させることが可能となります。