一方、中級家具店を目指すのであれば、ホームページを中心としたインターネットの活用も視野に入れるべきだと思いますが、現状では、大塚家具のホームページ(http://www.idc-otsuka.jp/)を見ても、特に見るべき点のない “普通の家具店” のデザイン&構成になっています。白基調で清潔感があるのは最低限クリアしていますが、高級感を感じるわけでもなく、斬新さやフレンドリーさを感じるわけでもないデザイン&UI で、どちらかというと無機質な感じすら受けるホームページとなっています。
今回の赤字という業績見通しについて、大塚家具の大塚久美子社長は、新しい販売戦略で「運用の不慣れさもある」と説明したとのことですが、この言葉が示す通り、現在の大塚家具の持つリソースと目指す販売戦略には大きなかい離があります。今後の大塚家具は前途多難といってよいでしょう。
現状ではむしろ、大塚家具の大塚久美子社長の父親である大塚勝久氏が対抗して設立した「匠大塚」の方が目指すターゲット層やマーケティングのエッジが効いていて効果が出やすいように思います。
これからの日本においては、売上高などの事業規模の拡大が成功の必要条件ではありません。人材・商品・サービスなど自社リソースから見て、ベストとなるターゲット層を大切にすることが重要だと思いますし、大塚家具と匠大塚の今後の推移がそのことを証明してくれると思います。