国会審議を独占している“森友学園問題”ですが、籠池理事長の証人喚問を受け、菅官房長官より安倍昭恵夫人と籠池夫人の間で交わされたメールの全文を 3月24日 マスコミに公開しました。このメールは、当初、参院の予算委員会で公開される予定でしたが、野党側が反対したため、マスコミへ直接公開することになったものです。
メールの全文はこちら(【関連記事:安倍昭恵氏と籠池夫人のメール全文】)に掲載していますが、実は、そのメールの中に森友学園の小学校建設工事に辻元清美議員が作業員(関西生コンの人間)を潜り込ませた、という記述があります。
【関連記事:安倍昭恵氏と籠池夫人のメール全文】
この件について、辻元清美議員と民進党は「辻元清美議員が、作業員を下請け業者に送り込んだとされていますが、これも全くの事実無根です。これは、ネット上で流された根も葉もない噂を信じたためと思われますが、そのような事実は一切存在しません。」と否定する文書を出し、「メディア各位におかれては、このような誤った内容を拡散しないよう強く求めます。」とメディアへの要請をしています。
メール全文のマスコミへの公開から2日が経過していますが、テレビ・新聞・大手ネットメディアを含めて、メールの全文を公開したのは日刊スポーツのみといった状態になっていて、民進党の辻元清美議員に関係する部分は削除して報道している状況です。
辻元清美議員と民進党が否定したことで、事実とは異なる内容であったと捉えて報道をしないものと思われます。
ただ、ここまでの流れを見ていると、与党や日本維新の会の所属議員に対する情報であれば、疑惑として報道しているわけですから、マスコミが民進党や辻元清美議員に対して“忖度”した、正確には自ら真偽を確認しないまま要請を受け入れた、と言って良いでしょう。
日本維新の会の党大会における松井代表(松井知事)の発言に対する報道を見ると、“忖度”どころか、マスコミと野党は一心同体であると勘ぐられても仕方がないレベルのようにも思います。
“森友学園問題”は、内容面としては国会で長期間審議するような事案とも思えませんが、国民に報道のあり方を考えさせてくれるきっかけとして、徹底的に審議してもらった方が良いかもしれません。