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猿猴月を取る(えんこうつきをとる)
古来より、人は自らの教訓を言葉で残し、古人の知恵や経験を「故事成語・ことわざ」として現代に伝えてきました。
その中から、時を超えて、人生に様々な示唆を与えてくれる「故事成語・ことわざ」を独断と偏見で選んでみました。きっとビジネスだけでなく、人生においても参考になるでしょう。
今回選んだのは、
「猿猴月を取る(えんこうつきをとる)」
という中国の古書「摩訶僧祗律」が出典の故事成語です。
「猿猴月を取る(えんこうつきをとる)」とは
「猿猴月を取る」とは、
「身の程を知らない望みを持つと失敗してしまう」という意味です。「猿猴(えんこう)」とは猿のことを指します。
「猿猴月を取る」の出典となっている「摩訶僧祗律」には、
昔々のお話。井戸の底に映る月を見た猿たちは、月を井戸の中から取り上げようとしました。猿たちは、木の枝からお互いの尻尾を握ってぶら下がっていき、井戸に映っている月に向かって手を伸ばしました。 しかし、その時、木の枝が折れ、猿たちはみな井戸に落ちて溺れて死んでしまったと言います。
という寓話があり、それが「猿猴月を取る」の語源となりました。
ビジネスにおいても、自分の力量を超えたことをやると、取り返しのつかないような大きな失敗をしてしまうことがあります。
確かに未知のことにチャレンジすることも必要なのですが、そのために必要な知識も勝算もなく手を出してしまうと手痛いしっぺ返しを食ってしまいます。
自らの実力を把握し、その実力の少しだけ上のことに対してチャレンジするように心がけることをお勧めします。